お日様をキャンバスに

実は、sisamには、”暮らしを楽しむ”隠れプロがたくさんいます。
今日からそんなコラムシリーズを、少しずつ配信させていただきます。

おうち時間の数分の楽しみになりましたら幸いです。

トップバッターは、sisamのジャムおじさんこと、スタッフのホソヤ。

二人の女の子がいる家の中は、
毎日エネルギーにあふれた日常が流れています。

ホソヤが、日々を過ごすなかで大切にしていること。

それは子どもも大人も、「シンプルなことから楽しみを見つける」こと。

ホソヤ家の、楽しい発見を少しのぞいてみましょう。

お日様をキャンバスに

子どもたちがびりびりにしてしまい、「あ～ぁ…」と長年放置していた障子。

“ある日、とつぜん妻から、子どもたちに絵を描いてもらってはどうかと提案があったんです。

障子という大きなキャンバスに、アクリル絵の具を使って、おもいっきり自由に絵を描く。
子どもたちの感覚や個性が固くなる前に、そんな経験をたくさんしてほしいなぁって。

普段ならコラ！となるところだけれど、一旦腹をくくると大人も楽しいものですね。”

いつもとはちがう場所、しかも普段は描いてはいけない場所に
自由に筆を走らせることができる。

それは大人の私たちでも、想像するだけでウズウズしてしまう楽しい時間。

子どもたちがもっと小さい頃には、手形をとって遊んだ思い出も。

今では、いくつになってもできる家族の小さな恒例行事になりつつあるそうです。

夜には眠っていた絵のなかの生き物たちも、
お日様の光を浴びて、楽しそうに踊りだす。

時間帯によって、刻一刻と絵の表情が変わっていく。

“子どもたちの作品を通して、
お日様の存在に、あらためて気付かされました。”

お日様をキャンバスに。
皆さんなら何を描きますか？

金継ぎの哲学

ずっと前からやってみたかったことの一つ。金継ぎ。

“伝統的な建築修復に昔から興味をもっていて。

建築と器って、実は密なるものだと思うんですよね。
だから丁寧に金継ぎされている器をみることが好きなんです。

でも実際に自分がやるとなると、なんだか敷居の高いイメージがありました。”

そんな時、知り合いから「新うるし」をつかった簡単にできる金継ぎの方法を聞いたホソヤ。
本当の漆ではないので、手もかぶれず、子どもがいても大丈夫。

“自分にでもできるのでは…そんなことを考えていたある日のこと、
妻が趣味でつくった作品を落として割ってしまった…。

まさにピンチをチャンスに。
なんとか修復したいというタイミングで、金継ぎにようやく踏み込むことができました。”

粉々になった器を、パズルのように合わせてメンディングテープで形を整えていく。

漆の変わりとなる接着剤をつけていき、そのうえにパテを縫り、
器の段差をなくすように、磨く。

最後にその上から、金を塗って完成！

“私のは、あまりにも粉々だったので、完成までは2時間。
ひとかけくらいなら、最短30分でもできるみたいです。

壊れる前よりも、より特別なものになりましたね。”

「ヒビ」という本来マイナスな要素を、ただ隠すという解決法ではなく
あえて美しい模様に変えてしまう。

マイナスを捕まえて、遊んでしまう。

そんな金継ぎの哲学が、ホソヤは好きだと言います。

生まれ変わった器が、お部屋のなかで
今日もごきげんに鎮座しているようです。

“いつもと違う日常。

でもそんな時だからこそ、簡単に手を動かしたりするだけで
子どもたちと楽しめることが、あちこちに存在していることに気付かされます。

みんなが家の中にいるということは、大変なことももちろんあるけれど
その分、得られる時間もあるんですね。”

 

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ホソヤ ・ タニ