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コーヒー豆選別のリモートワーク

SISAM COFFEEの森から 第3話

SISAM COFFEE」のコーヒー豆を届けてくれている
環境NGO「コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)」の反町さんから
現地レポートの第3弾が届きました。

今、海の向こうの生産地はどんな状況なのか。

シサムのパートナーたちの暮らしは、どのように変化しているのか。

ご心配いただいている皆さま、本当にありがとうございます。

フィリピンから、臨場感あふれるコラムの第3弾をお届けします。

カフェのバリスタ、コンジー君も自宅で家族と一緒に選別

コロナ封鎖による外出禁止も、フィリピンでは1か月となりました。
私たちの環境NGO「コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)」の事務所も、
ドゥテルテ大統領が「コミュニティ検疫」という呼び名の「封鎖」をルソン全土に拡大した日にお休みに入りました。

(誰も家にインターネットがないので、日本みたいにテレワークってわけにいかないのです)。
CGNの社会企業部門である「カピタコ・ソーシャル・エンタープライズ」もしかりです。

カピタコ・ソーシャル・エンタープライズは、コーヒー豆の輸出と卸販売の他に、
フィリピン産のおいしいコーヒーのアンテナショップとしてカフェ、
そしてコーヒーのことを学びに来る観光客のための小さなゲストハウスを運営しています。
そのいずれも休業です。

カフェ・ヤガムでは山岳地方の生産地別にコーヒーの味比べができます。

政府からのお達しでは「レストランやカフェはデリバリーとピックアップのみ営業してよい」とのことなのですが、
スタッフのほとんどが隣町のラ・トリニダード町に住んでいて、公共交通機関がすべて止まっている中、
通勤は不可能です(誰一人、車を持っていません)。

そのうえ、ラ・トリニダード町とバギオ市との境に検問所(チェックポイント)ができていて、
自由に行き来するのがむずかしくなっています。

空き家になってしまっては不用心と、事務所とカフェとゲストハウスの入っている建物には、
オンラインで大学の授業を受けたいという(事務所にはインターネットがありますからね)
カフェのアルバイトのクリスマちゃんが滞在してくれることになりました。

そして、独り者で退屈を持て余している運転手のクレブ君も用心棒として住み込んでくれています。

コーヒー豆を配達する運転手のクレブ君

日本では緊急事態宣言が発令され、営業自粛が要請される中、
「政府から補償はあるのか?」という話題で持ち切りですが、
フィリピン、とくにバギオのような田舎町では、正規に雇用されている人がとても少ないのが現状です。

また、ほとんどの人たちが蓄えもなく、日銭暮らしをしています。

こういった非常時には、何の補償もなくいきなり仕事を失った人たちであふれます。
政府に補償を求める、という感覚は、はなからないのです。
「せめて飢えさせてはいけない」と、政府はせっせと食料とわずかな現金の支給を
蓄えのない人に向けて始めているというわけです。

人々はそれに心から感謝しています。

バギオ市では、ローリング・ストアと題して、出張青空スーパーマーケットも行っています。
街中のスーパーに人が密集しないための作戦です。

さてさて、封鎖ですべてが休業中に
「カフェやコーヒー販売の担当スタッフをどうやって養うか?」
私たちCGNとカピタコにも大きな問題発生です。

前のコラムでも書きましたが、人の行き来は厳しく制限されていますが、
人々の命をつなぐための食料品の運搬は制限できません。

封鎖から数日後に、バギオ市政府が「フード・パス」なるものを発行し始めたというニュースが入ってきました。
食料品の運搬する車両とその運搬を担う限られた人員に対して発行されるという移動許可証です。
「コーヒーも食料品」ということで、ダメもとで市役所に申請に行き、
見事フード・パスを手にすることができました。

フード・パスをゲットしたクリスマちゃん

女子大生バイトのクリスマちゃんと運転手クレブ君、そして町境の検問所で
「どうしてもコーヒー豆の輸出のために輸出ライセンスの更新などの仕事でバギオの事務所に行かねばならない!」
とおまわりさんを説得して事務所に到達したレイマート君の3人で、
「コーヒー豆選別のリモートワーク」プロジェクトが開始されました。

倉庫に入っているコーヒー豆のうち選別が必要なものを、
カフェとNGOのスタッフの自宅に「フード・パス」を使って配達し、自宅で選別作業をしてもらうというものです。
みんなが選別をだいたい終了したところで、新たに豆を配達、選別が終わった豆を集荷します。

「ああ、家でやってもらえる仕事があってよかった!」
というのが団体代表としての正直なところです。

コーヒー生豆をスタッフに配達するレイマート君
スタッフが住んでいるのはラ・トリニダード町の車が通れない住宅街。
最終的には人力でお届けします。

シサム・コーヒー・ファンの皆様、ご安心ください。

コロナ封鎖下でも、コーヒー豆はスタッフの手で
ていねいに欠点豆をはじくための選別が行われています。

CGNスタッフのマイラも毎日自宅で選別しています。

乾燥が足りない豆は、品質管理担当のラ・トリニダード町在住のリリーさんの遠隔指導で、
運転手のクレブ君が毎日、カフェの前庭で乾燥させています。

レイマート君による輸出ライセンスの手続きも順調に進行しています。

みなさまのお手元にコーヒー豆をお届けするための準備は万全ですよ!
執筆:  反町眞理子
Mariko Sorimachi

1996年よりフィリピン在住。
2001年環境NGO「Cordillera Green Network(CGN)」をバギオ市にて設立。
コーディリエラ山岳地方の先住民族の暮らしを守り、山岳地方の自然資源を保全するために、
環境教育、植林、生計向上プログラムなど、数多くのプロジェクトを行っている。
2017年、CGNのスタッフたちとともに、社会的企業Kapi Tako Social Enterpriseを創立。

 

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