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野鳥が棲む森で育つコーヒー

SISAM COFFEEの森から 第4話

SISAM COFFEE」のコーヒー豆を届けてくれている
環境NGO「コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)」の反町さんから
なんとも愛らしい野鳥たちの姿とともに、現地レポートの第4弾が届きました。

最初にコーヒーを植えたのは15 年前

野鳥観察をしたアグロフォレストリー農園で収穫する農家さん

シサムコーヒーの生産地の中で、わたしたちのNGOが最初にコーヒーの木を植えたのは、
バギオ市から車で3-4時間のところにあるサグパット村です。

私たちのNGOは、森林を焼き払ってサヨテ(はやとうり)畑がすごい勢いで拡大していたこの村で、
2005年からアグロフォレストリー(森林農法)によるアラビカ・コーヒー栽培の指導を始めました。

急斜面で栽培されるサヨテの畑

サグパット村はもともとベンゲット松という北ルソン特有の松が急峻な山肌に多く生えていました。

このプロジェクトは、その松の木を切らずに、「松の木の下でアラビカ・コーヒーの木を育てましょう」というもの。

松の木の下ではなかなかほかの植物が育ちにくいといわれていましたから、
コーヒーの苗木を受け取った農家さんは、それぞれ工夫しながらコーヒーの木を育ててきました。

いまでは約1.5トンのコーヒーが生産できるようにまでなり、
試行錯誤を繰り返しながらコーヒー栽培に取り組んできた農家さんにとって、
ようやくコーヒーの販売はあてになる収入となってきました。

 

収穫したコーヒーの実をパルパー(果肉を除去する機械)で皮むき

あれから、15年。あの時のコーヒーの苗木は、サグパット村でどんな風に育っているのでしょうか?

コーヒー生産による農家の人たちの収入増は少しずつ達成されている実感がありますが(私たちがフェアトレードでコーヒー豆を買い取っていますからね)、コーヒー栽培は森林破壊の抑止力となっているのでしょうか?

だいたい育っているコーヒーが、環境にほんとうにやさしいコーヒー栽培であることを証明するにはどうしたらいいのでしょうか?

野鳥が棲む森で育つコーヒーを目指して

世界には環境負荷を小さく抑えて栽培されたコーヒーであることを証明するための認証システムがいくつかありますが、
そのうちのひとつが「バードフレンドリー認証」です。

野鳥が棲めるなるべく自然に近い環境で育ったコーヒーであることが、
ほんとうに「エコ」であるかの指標になるというのです。

北ルソンで見られる野鳥についてのレクチャー。
Center of Conservation Innovationのジェニカさんが講師

そこでわたしたちは日本で野鳥や渡り鳥の調査をしているNPO法人「バードリサーチ」の専門家の先生と
フィリピンの環境保全団体のリサーチャーに来てもらい、サグパット村のコーヒーの森にどんな野鳥が棲んでいるのか?
あるいは棲んでいないのか?の調査を行うことにしました。

といっても専門家の先生たちは数日しか村にはいられないので、
実際には毎日のようにコーヒー農園で働いている村の農家の人たちに観察の仕方をワークショップで教えてもらい、
一定期間、観察記録を取ってもらうことにしたのです。

ワークショップでは農家さんたちと一緒に、実際に双眼鏡を使った野鳥観察にも挑戦しました。

するとたった数時間で、コーヒー農園の周辺で13種類のかわいい野鳥たちが観察されました。

コーヒーと一緒に植えられているアルヌスの木にいる野鳥、シラボシガラ(現地名Kusili)

ベンゲット松林も野鳥の宝庫。ビロウドゴジュウカラ(現地名Ak-kap)

それにしても野鳥観察のワークショップに参加した農家の人たちの
野鳥を見つけることの早いこと早いこと。

耳もすごくいいから、野鳥のわずかなさえずりでも聞き逃しません。
「ほら、あそこにいる」
双眼鏡いらずで、あっという間に見つけてしまいます。
よくよく聞いてみると、どうやら子供のころ山を駆け回って野鳥ハンティングを遊びにしていたよう。

野鳥の潜んでいそうなやぶ、罠の仕掛け方、鳴き声による種類の見分け方……
驚くくらいに詳しいのは、そんな事情のようです。
(内緒ですが、貧しい村では小さな鳥でも貴重なたんぱく源でもあったようです)。

子供たちにつかまっていたアカモズを放してあげました

「いやいや、野鳥はコーヒーの森ではやっかいな害虫を食べてくれたりと、コーヒー栽培を助けてくれてもいるんですよ」
とバードリサーチの先生は、野鳥の自然の中でのたいせつな役割について説明してくれます。

「そういえば、フクロウの姿も見なくなったなあ」
と農家のおじさんたちは子供のころはいくらでも目にすることができたという鳥について
なつかしそうに思い出していました。

野鳥観察ワークショップに参加したコーヒー農家のおじさんたち

できるだけたくさんの野鳥にコーヒーの森に戻ってきてもらえるように、
まだまだ頑張らねばなりません。

参考:サグパット村でのコーヒー農園でのリサーチについての専門家の先生のブログ
http://blog.bird-research.jp/article/186954533.html

野鳥探しコンテスト「バードソン」

さて、野鳥たちが環境を測る指標であることは日本でも変わりありません。

そして日本各地に住んでいる野鳥好きの人たちが
野鳥の調査に大きな役割を担っているのも同じです。

バードリサーチでは「バードソン」という野鳥探しコンテストを毎年何回か実施しているそうです。
決められた時間内で何種類の鳥を見つけられるかを競う大会なのだそうですが、
今回の夏鳥探しのバードソンは新型コロナの影響で、インターネットでのバードソン大会となりました。

バードリサーチのHPにある「さえずりナビ」を活用して、鳥を見つけたらそこに記入していき、
その記録数によってリアルタイムで順位が入れ替わっていくのだそうです。

期間は2020年5月23日(土)~6月7日(日)の2週間。
(詳しい参加方法はこちら。)。

昨年6月の第1回バードソン大会では、1054カ所で249種の夏鳥が観察されたのでそうです。

また、このバードソン大会に参加してくれた方の中から抽選で10名に「夏鳥コーヒー賞」として、
“野鳥にやさしいコーヒーの森”を目指す「SISAM COFFEE」が贈られることになりました。
https://www.bird-research.jp/1_saenavi/shouhin3.html

野鳥を愛する心優しき人たちに、SISAM COFFEEが届くのはとてもうれしいですね。

みなさんも、どうぞ、SISAM COFFEEを飲んで、フィリピンの森林再生に参加してくださいね。

執筆:  反町眞理子
Mariko Sorimachi

1996年よりフィリピン在住。
2001年環境NGO「Cordillera Green Network(CGN)」をバギオ市にて設立。
コーディリエラ山岳地方の先住民族の暮らしを守り、山岳地方の自然資源を保全するために、
環境教育、植林、生計向上プログラムなど、数多くのプロジェクトを行っている。
2017年、CGNのスタッフたちとともに、社会的企業Kapi Tako Social Enterpriseを創立。

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