めぐる、めぐる、命の木
「めぐる」 第 3 話
インドでは、人々の生活に長く深く根付いてきた植物がある。
sisamでは木のカトラリーでも馴染みのある、ニーム(neem)だ。
葉っぱの薬効性が高く、古くから現地では
洗顔粉や歯磨き粉にしたり、薬としてそのまま口にすることも。
親しみをこめて「自然の薬局」と呼ばれていることもうなずける。
一本のニームの木。
長い年月をかけて自然の循環を旅している。
そしてその一部が、今度は人の身体のなかで命のめぐりとなっていく。
「めぐる」を手仕事の模様で表現したいと考えたデザイナーのエンドウが、
真っ先に思い浮かべたのがこの植物だった。
インド・サンガネールの街で息づく手仕事「スクリーンプリント」で
描かれたコレクション。
模様のある服を、無理なく日常で楽しんでもらえるよう
落ち着いた色合わせにこだわった。
よく見ると、3つの生地のそれぞれに、茎や葉のなかで
さりげなく光を放つ一色をのせている。
自然のめぐりのなかで輝く命の喜びが、
手仕事の素朴なリズムによって伝わってくる一枚だ。
数年前のインド出張。
訪れた村の女性たちに、肌の弱い息子のことを話すと、
心配の言葉とともに、「これを使ってみて」とニームの葉をたくさん用意してくれた。
彼女たちの優しさと、国や文化を越えた「母」同士の共感に触れることのできた瞬間は、
今でもエンドウを温かい気持ちにさせてくれる。
やわらかいサテンのうえで踊る、ニームの実や花や、葉っぱたち。
愛らしい模様とともに、私たちの世界は今日も優しくめぐっていく。
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タニ
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