ガーゼに旅路の風をのせて
いざ、sisamの旅へ 第4話
秋の空気をたっぷりと含んだガーゼのコレクション。
ふかふかとした肌触りにうとうと…
気づけば夢のなかで旅をしている…なんてこともありえる心地よさ。
この一着には、どんな旅のモチーフが隠れているんだろう。
肌にふわりとまとってみて、手刺繍をじっくり眺めてみて、
ぜひ楽しい旅の物語を探してみてほしい。
楽しみはあなたのもの
10年ほど前にデザイナーが訪れたポルトガルの港町ナザレ。
年配の女性たちはスカーフとエプロンをチャーミングに着こなし、何やら楽しそうにおしゃべり。
現地では、スカーフをエプロンにインするのが100年ほど前の着こなしだったそう。
海の向こうで形を変えながらも息づいている素敵な衣装を、私たちの日常にも取り入れたいと考えた。
この一枚は、肩からの布地をそのまま垂らすと、ポルトガル風の”ショールを羽織る”ような着こなしに。
他にも、前で結んだり、クロスさせたり、パンツにインしてベスト風に楽しんだり。
アイデア次第で、さまざまな表情を見せてくれる一枚だ。
ショールにはアジア諸国や、気球、船などの旅モチーフを散りばめた。
どう着こなし、どう楽しむかは、今日のあなたの気分次第。
潮香る、ナザレの風を吹かせてほしい。
フードに包まれて
モロッコの民族衣装「ジュラバ」をイメージした、フード付きのトップス。
パーカーのようなカジュアルさを持ちながら、自然なAラインで可愛さがふわりと広がる。
そして手刺繍にも旅の物語を。
デザイナーがモロッコを訪れたとき、ガイドの人が家に招いてくれたそうだ。
彼のお母さんが入れてくれた、それはそれは甘いミントティーが美味しい旅の記憶。
ミントティーが注がれる可愛いティーポットを、たっぷりの手刺繍で描いてもらった。
後ろでまぁるく広がるフードが、今日の自分を柔らかく守ってくれているような心地よさ。
この秋は、フードと一緒に旅気分を。
色の出会いをたのしむ
スウェーデンの街並みは、色使いがユニーク。
色と色がそれぞれの存在感を放ちながらも、うまく溶け合っている。
そんな美しい景色からヒントを得て、色づかいを楽しむシャツをデザインした。
シャツの凛とした印象と、ガーゼの柔らかな質感をうまく調和させた一枚。
スタンドカラーなので、自然とサマになるのが嬉しい。
さっと一枚羽織って、シンプルなボトムスと合わせたい。
冬の重ね着では、さりげなく個性をみせるインナーシャツとしても活躍してくれるはずだ。
両サイドの裾に、旅する渡り鳥オオソリハシシギも仲間に連れて。
色と色が出会えば、今日一日に良い風が吹きはじめる。
一枚のシャツを、気負いなく、自分らしく楽しんでほしい。
わたしの旅
デザイナーのタカハタもまた、sisamを代表する旅人のひとり。
国内、海外問わず、さまざまな土地の空気を吸ってきた。
18切符でのひとり旅がライフワークになりつつある。
車窓で流れていくさまざまな日常にときめく時間。
小学生の孫をホームで優しく見送るおじいさん。
ローカル線に揺られて、うとうとと気持ちよさそうに居眠りする人たち。
その場所ではいつもと変わらない時間が流れていて、
そのなかに自分が存在している不思議な違和感が好きだ。
あぁ、自分は旅人なんだなぁと感じる。
同じ場所で、同じことを繰り返す日常。
本当は違うのだけれど、知らず知らずのうちにそんな感覚で日々を過ごし
心が淀んでしまうことがある。
“そんなときに、自分の中に新しい流れを取り込むのが、旅だと思います。
日常って繰り返しだから、色々なことを見落としてしまうんです。
でも旅しているときの自分の目線っていつもと違うんですよね。”
誰かにとっての「普通」の景色が鮮やかに見えたり、
音や味や、肌に触れる風にさえ、心を揺らすことができる。
日常で一枚の服をまとうことで、「旅の目線」がふと自分のなかにやってくる。
今回のコレクションが一つのきっかけになりますように。
タカハタは、そんな願いを一つ一つのデザインに込めた。
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タニ