
私たちの美味しい一杯 第3話 ~島根県「fuku-mimi」~
10月1日は、コーヒーの日。
コーヒーづくりに携わる人々、そして日々美味しいと感じるものの「向こう側」について、
世界中の人々が立ち止まり考える日だ。
今回は、島根県でお店を営む「fuku-mimi」さんのお話。
顔が浮かぶこと ~島根県「fuku-mimi」~

ところは島根県出雲市。
小さなお庭と古民家風倉庫がある「fuku-mimi」は今年で開店7年目。
兼業する不動産屋の店先で、さまざまな活動をしている。
地元のキャンプ場での「世界フェアトレードデー」イベント、夏の「土曜夜市」、国際交流を仕事にする友人たちとワークショップなど、
店主の森山さんが大切な軸として据えているのは、地域との関わり合い。
「今年、店舗の裏の資材置き場で埃を被っていた端材で倉庫を造りました。
興が乗って店舗以上に立派なものが出来、今後の活用を考えるのが楽しみです。(店主)」
人を巻き込み、自身も楽しみながら、優しいパワーを放ち続けるお店だ。

2017年に、生産者NGOの反町眞理子さんを訪ねてフィリピンの収穫体験に参加したのが、
店主とSISAM COFFEEとの出会い。
十分なインフラが整っていなくて殆どが手作業な中で、自然と向き合いながら栽培している姿に
強く心を動かされた。
「このとき北部一帯を周遊して出会った人たちの暖かい人柄や伝統的な農業にかける想いに触れた事は、
今までの価値観が大きく変化するきっかけになりました。
美味しさを求めて「消費」するのではなく違う角度から応援したいと思い、取り扱いをしています。」

今年の夏は毎朝ブレンドコーヒーをアイスで愛飲していた店主。
すっきりとした口当たりは気温の高い夏にぴったりだと教えてくれた。
手回しでゆっくり豆を挽き香りを楽しみながらハンドドリップするひと時は、
店主にとって仕事モードへとゆるやかにシフトする大切な時間。
「ブレンドを”アジア”でまとめたのも良い選択だと思いました。
お客様におススメする時も”アジア同士”ということを大切にお伝えしています。」

そんなfuku-mimiさんにとって「美味しい」とは、「顔が浮かぶ」ということ。
「黙食やリモートがスタンダードになり、リアルな付き合いが希薄になるアイテムが益々増えてきました。
だからこそ食品であれば生産者を身近に感じる工夫がしてあったり、
お店であればスタッフのこだわりが伝わったりすると嬉しくなります。
また、店主との会話だったり会食の場でのおしゃべりだったりも”美味しい”一品。
一日も早く気兼ねなく楽しめる食事の場が戻ってきて欲しいです。」
生産者、販売者、そして食卓をともにする人。
食べることには必ず多くの人が存在する。
誰かの顔が浮かぶということが、美味しさの原点だということを
今の時代だからこそ、私たちは気づき始めているように思う。
■フェアトレード・fuku-mimi
https://ameblo.jp/fukumimi-fukuya/
〒693-0023
島根県出雲市塩治有原町5-30
0853-20-0075
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