一角を愛す
部屋の一角。
直径1ｍもないわずかな空間に、自分の愛すべきものを詰めこんで。
とてもささやかだけれど、毎日、毎日、小さな幸福を生んでくれる。
そんな特別なスペースを持つことは、私たちの生活の水源になるように思います。
シサムのスタッフたちの、一角の風景をのぞいてみましょう。
器天国
スタッフ、タニの家には、愛してやまない食器棚があります。
毎日毎日、入れ代わり立ち代わり、食卓を美味しく彩ろうと待機してくれている愛しい器たち。
朝ベッドから起き上がると、まっさきに目にとびこんでくる嬉しい風景です。
知らない土地へ行って、そこの器や骨とう品を持ち帰ることが好きなので
旅の数だけ、食器棚がどんどん華やかになってきました。
特にご飯が大好きな私は、茶碗だけで10種類以上…。
その日の気分でランダムに並べているので、毎回ちがう表情を楽しむことができます。
一人暮らし。 されど、食器棚だけは大家族のようなにぎやかさを。
ビバ、器天国。
小窓から見える世界
スタッフ、シカタの部屋にあるパソコン机の上の小窓。
窓の外はお隣さんの壁しか見えないけれど、
日中は外の自然光がバックライトとなって、小物たちが輝くステージに。
小さな空間なので、模様替えが簡単なのもうれしいところ。
庭の草花を飾ったり、旅先で出会ったものや、
誕生日プレゼントやお土産としていただいたものなどが並びます。
パソコンを使っていると自然と視界に入り、置いたものに紐づけされた思い出が
ふとした瞬間に浮かびます。
お寺のスタンプラリーでいただいた「以春風接人以秋霜自粛」の色紙。
「春風のような優しさで人に接し、秋の霜のごとく厳しく自らの行動をただす。」
おもわず背筋がすっと伸びるような言葉が窓辺で静かに見守ってくれています。
土産話を聞いた時間や、プレゼントをくれた友人の顔、草花からは外の風景、
景色は見えない窓だけど、いろいろな情景を見せてくれるとっておきの窓のようです。
大切な人の手しごと棚
スタッフ、ウメトの部屋には、大切な人たちとの思い出が
さまざまな姿になって並んでいます。
ぱっと目に飛び込んでくるなんとも温かな絵は、祖父が描いたもの。
この部屋は、実は祖父が生前アトリエとして使っていた場所。
アトリエの隣に住んでいたので、この部屋で祖父とよく絵を描いた思い出が
ウメトの中に大切にしまわれています。
他にも、陶芸家の友人が作った一輪挿し、木工教室の先生と一緒に作った木の器など。
まるで一冊の可愛いアルバムのように、陳列されています。
人の手によって生まれた作品たちは、実は本人の写真以上に、
その人の存在が感じられるものなのかもしれません。
母と子のものがたり
息子2人がまだ小さい頃に、母の日の贈り物として描いてくれた絵。
スタッフのタネは、今ではもう高校生となった息子たちとの日々のやりとりのなか、
ついつい頭に角が生えて、苛立ってしまうことも日常茶飯事。
そんなとき、この絵を眺めると、母としての初心を思い出すことができるそう。
家族写真をあまり飾ることのないタネ家では、このスペースがその大切な役割を担っています。
絵の前には、今年の母の日に贈ってもらった植物が、嬉しそうに葉を伸ばしています。
時に激しく、時に温かく、これからも母と息子たちのものがたりは続いていくようです。
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タニ、シカタ、ウメト、タネ
