Creative Handicrafts
インド・ムンバイ
インド国内のフェアトレード組織のナショナルネットワークで総勢20万人以上の生産者を抱えるFAIR TRADE FORUM INDIAの中心的メンバーです。
フェアトレード組織の国際的ネットワークである”World Fair Trade Organization (WFTO)の正式メンバーです。
クリエイティブ・ハンディクラフトの紹介映像
「クリエイティブ・ハンディクラフト」は、ムンバイの空港近くに広がる巨大スラム街で長年活動しているフェアトレードNGOです。 スラムの中には11の作業所が点在し、女性たちは20人ずつの小グループに分かれて縫製作業を行っています。 女性たちが社会的にも経済的にも力をつけていけるよう、製品を国内外で販売しながら女性たちをあらゆる角度からサポートし続けています。
もともとは1984年にスペイン人のシスターが、スラム住民の困窮ぶりを目の当たりにし、手に職を持たず貧困に苦しんでいた女性2人と簡単な人形作りから始めた活動です。 今では生産者の数も300人に上り、高度な技術を要する輸出用の衣料品を縫えるまでになっています。 またクリエイティブでは、特に福祉部門での活動が専門的かつ活発です。 5名の専門知識を持つ女性ソーシャルワーカーが常駐し、地域の問題をリアルタイムで把握しては対応に当たっています。 地域のニーズに則した多種多様なプロジェクトを行うことで、女性たちとスラム全体の生活をきめ細かくサポートしています。
クリエイティブでは、子どもの教育や保護にも力を入れています。スポンサー制度を運営して奨学金を支給したり、託児所や放課後教室をスラム随所に開いています。 また、スラムの女性の70%が経験しているという「女性への暴力」の防止にも力を入れています。 レイプから身を守る護身術教室や、児童へのジェンダー教育、夫を招いて夫婦の絆を再確認するセッションなど、具体的なプログラムを頻繁に開催しています。 その他、1000名を超える女性が参加する貯蓄プログラムも運営し、将来のために貯蓄する習慣をつける場になっています。 メンバーは必要に応じて融資制度も持っていて、この融資を受け、不慮の病気やけがに対応できたり、子どもへの教育投資をあきらめないで済むようになっています。
生産者のようす
クリエイティブに集まる女性たちの中には、夫からの激しい暴力や極端な貧困を経験してきた人が大勢います。 彼女たちは、田舎から出て来たばかりで地方の言葉しか分からなかったり、教育や訓練の機会に恵まれず、貧困から抜け出す方法すら分からないような状態からここに集まり、訓練を受け、自信と仲間を得て、徐々に希望のある生活を送り始めています。 半年間の縫製訓練を終えた女性たちは、20人ずつで自助グループを作り、独立した自助組織として自分たちで運営をしています。
それぞれのグループには3年ごとに投票で決めるリーダーや経理担当者がいて、仕事の分配をしたり縫製で得たお金を自分たちで管理し、みんなに月給として渡しています。 また、メンバー全員がクリエイティブのソーシャルワーカーが毎週開く、お金の賢い貯め方や使い方、栄養学、保健衛生、子どもの教育についてなど、生活に必要な様々な知識を学ぶプログラムに参加しています。 様々なバックグラウンドを抱えた女性たちが、この巨大なスラムで、厳しい状況を共に生きる仲間として、時に家族以上の思いやりと結束力で毎日支え合って仕事をしています。 グループリーダーの一人、ビューラさんの「お金やものなどの援助はいらない。欲しいのは私たちが縫製をして自立するための注文です」という言葉が強く印象に残ります。
職業訓練とその後の選択肢
クリエイティブでは、ソーシャルワーカーが日々スラムを巡回する中で見つけてきた、特に生活に困っている女性たちを招き、縫製の技術訓練を行っています。 最長で半年間無料で通うことができます。 女性たちの多くは極貧状態の家庭から通っており、わずかでも日々の収入がないととたんに立ち行かなくなります。 そのため、訓練中も、交通費など日々の細かい支出に対応できるよう小額の給付金を支給して、手に職を付けるまでの期間をサポートしています。 この半年のトレーニングを無事修了すると、正式な縫製グループの一員となることができ、ミシンで収入を得ていく道が開けます。
なお、もし、縫製では才能が発揮できなかった女性たちに、セカンドチャンスとして収入の道を提供していたケータリング部門「AsliFood」(=本部の一階に作られたキッチンでは、おいしくて健康的なお弁当を作り、毎日約500食、ムンバイ市内のオフィスにデリバリーしていました)は、コロナ以後、残念ながら他のデリバリーアプリの乱立のあおりを受けて閉鎖しております。
シサムのノベルティ・エコバッグ
シサム工房がノベルティとして提案する「エコバッグ」の縫製は、このクリエイティブ・ハンディクラフトが手掛けています。
エコバッグは、その形から、「まっすぐ縫う」ための訓練につながります。 特に、職業訓練を卒業したばかりの新米職人たちにとって、取りかかりやすい仕事としてとても重宝されています。 ノベルティの注文は、縫製技術向上のための訓練として、また、自分の人生を新たに切り開こうとしている女性たちの新しい一歩を支える大切な仕事につながっています。
*あなたもフェアトレードノベルティをつくってみませんか