SASHA
インド・コルカタ
インド国内のフェアトレード組織のナショナルネットワークで総勢20万人以上の生産者を抱えるFAIR TRADE FORUM INDIAの中心的メンバーです。
フェアトレード組織の国際的ネットワークである”World Fair Trade Organization (WFTO)の正式メンバーです。
サシャは、古都コルカタで1978年に創立されたインド有数の歴史と実績のあるフェアトレードNGOです。
70グループ3500人もの生産者の支援を行っています。
1970年代当時のインドでは、安い機械製品が急激に流入し、手工芸品の仕事は減っていく一方でした。
零細な手工芸生産者たちは、中間業者による不正や搾取に合っても、抗う術を持っておらず、
経済的にも、社会的にも、とても苦しい状況にありました。
そこでサシャは、市場の開拓やデザインの開発に力を入れ、技術指導や金銭的な支援も行いながら地域伝統の手工芸品を復興させ、お金よりも人を第一にした貿易が成功できることを世に証明してきました。
「大切なのは、フェアトレードによって手工芸の職人たちが安定した収入を得ることだけでなく、
世界に認められているという自信と自尊心を得ること」という信念を持って活動しています。
現在、サシャが扱う手工芸品は、布製品、革製品、木工品、焼き物、アクセサリーなど多岐に渡ります。
シサム工房には、美しい手織りのショールや、木製の食器などを届けてくれています。
生産者のようす
伝統的に手織り技術が伝承されてきた村、ニームの木を削って櫛を作ってきた村、
布に模様を押すための木製ブロックを彫ってきた村。インドの村には伝統的な技術を持った人たちがたくさん暮らしています。
時代の変化とともに、一度廃れかけたこうした村々が、サシャと出会うことで、海外からの注文を受け、活気を取り戻しています。
息を飲むほど繊細な糸を、パタリパタリと布に織り上げ、木を削り、ノミを振るう音がまた村の中に響くようになりました。
また、注目すべき大きな変化として、フェアトレード事業に参加したことにより、
女性が村や家庭の中で、発言し、自らの意思で決断していくことができるようになってきました。
これは、仕事をする中で決断に慣れていくことに加え、お金を稼ぎ、家族の中で重要な位置につくことで、
女性たちが自信をつけてきたことが大きく影響しています。
さらに、他のインドの典型的な親方と弟子の関係の工房とは違い、サシャの生産者に非常に特徴的なことは、
工房の全員が気軽に声を上げ、互いに協力し、皆で決断をしていく関係ができていることです。
このオープンで前向きな雰囲気と、誰もが声を上げられる文化は、弱いものこそを一番に大切にするフェアトレードだからこそ築いてこれたことなのです。