22歳、はじめてのフェアトレード
この夏は、シサム工房に新鮮な風が吹きました。
その風上に立っていたのは、インターンで私たちの事務所にやってきてくれた大学生のアオノさん。
はじめてフェアトレードの現場で過ごした約3か月。
今回はそんな彼女のお話です。
この夏、初めて袖を通したフェアトレード服は、インド・カラティマクの手刺繍ブラウスでした。
“繊細な手しごとを身につけたとき、
あぁ、本物だ。という嬉しい実感が沸いてきました。
なんだか、中学生の頃、お小遣いをためて、
初めて自分で服を買ったときの感覚を思い出したんです。
こんなに服を大切に着ようと思ったのは久しぶりでした。”
ファストファッションや古着といった、リーズナブルな服の世界から
どれだけお得に、「いいもの」を手に入れることができるか。
アオノさんや友人たちの間では、そんな彼女たちの「ファッションの美学」があるそう。
確かに私もそうだったなぁと、服であふれた実家のタンスを思い出しながら
懐かしい気持ちになります。
フェアトレードの現場で働くことに対して、
最初は苦しい部分があったアオノさん。
“ファストファッションの服もよく着ている私が、
ここで働いていて良いんだろうかという葛藤がありました。
でも実際にスタッフの皆さんと仕事をするなかで、
そうじゃないんだと感じるようになったんです。
私たちの生活の中で、毎日の選択を、
0か100かで統一していかなければいけない訳ではないんですね。
日々生きるうえで、「一つの選択肢」として、フェアトレードを
誰もが選べるような社会を。
それぞれの選択の良いところを認めながら、
私たちの知るフェアトレードの魅力を、伝え続けていくこと。
シサム工房で働く人たちの、そんな想いを知るようになって、
フェアトレードというものが、より親しみのある存在に変わったような気がします。
私たちの世代でも、普段感じる「いいもの」の基準のなかに、
フェアトレードが自然とはいっていくような社会になればいいな。”
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CH フランネルプチエリシャツOP
SN ウールニットBeret
GROW NATURALLY GN-603
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インドから届いたワンピースの検品を、事務所でおこなっていたときのこと。
“届いた段ボールは、なんだか湿り気をおびていて、
開けてみると、温かい空気がこもっていたんです。
「あぁ、今インドは雨季だからね。」
そんなスタッフの話を耳にした瞬間、
インドの地と、今の自分が一気につながったような気がして。”
“蒸し暑い大地のなかで、作り上げた商品を箱に詰めていく
生産者の顔や、暮らしが見えてくる。
使う側と、作る側をつなぐ糸のようなものをはじめてリアルに感じられた経験でした。
私にとって、このワンピースは、思い出深い一枚です。”
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CH テンセルウシロリボンOP
subakamana ミチカケNC
GROW NATURALLY GN-603
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光沢をもつテンセル生地のワンピースは、
アオノさんにとって、ドタイプな一枚。
“フェアトレード＝大人でナチュラルな雰囲気、だけじゃないということも知りました。
テロッとした生地感が、私好みなんです。
ヒールやブーツを合わせて、おもいっきり自分のおしゃれを楽しみたい一枚です。”
カジュアルが好きな人。
きれいめが好きな人。
全ての人に、ひらかれたファッションを生み出していきたい。
そんな想いを胸に、生産者とデザイナーが毎シーズン試行錯誤を重ねて
大切にデザインした衣服たち。
大学生であるアオノさんの「好き」のアンテナにも、ちゃんと届いてくれた一枚が
フェアトレードの可能性の広さを、教えてくれているような気がします。
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KL サテンウエストリボンTop
PTM ピンタックSKリネン
GROW NATURALLY GN-2019
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“フェアトレードを仕事として選んだシサム工房の人々と関わることができた、この3か月。
それぞれの「日々を生きていくこと」に対する考え方の豊かさに、驚きました。
スタッフの皆さんに教わったのは、「いいもの」を「いい」と、ちゃんと言えること。
それは決して社会で価値とされるものというわけではなく、
自分の目で見て、自分で考え、感じているんだということが伝わってきます。
周りを受け入れたり、人を思いやる力というのは、
きっとそこから生まれるんじゃないかなと、私は感じました。”
本日で、アオノさんはインターン卒業。
多くのことをキャッチできる心と、強くやさしい眼差しをもって。
彼女にとっての「いいもの」を、少しずつ探し、集めながら、
素敵な未来を作っていってほしい。
スタッフ一同、たくさんの感謝を込めて。
FAIR TRADE LIFE STORE by sisam FAIR TRADE
タニ
