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スニルさんからの手紙

毎年たくさんの素敵な衣料やアクセサリーを届けてくれる
ネパールのフェアトレードNGO 「Mahaguthi マハグチ」。

代表のスニルさんより、日本の私たちにお手紙が届きました。

このコロナ禍で、彼らがどのような苦労や課題を乗り越えて、
私たちのもとに服を届けてくれているのかがリアルに綴られています。

マハグチのアイテムを愛用してくださっているたくさんの方に
読んでいただきたいお手紙です。

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日本のみなさん、こんにちは。

いつも私たちマハグチの商品を使ってくださり、本当にありがとうございます。

ここで、私たちのコロナウイルスとの数か月をお話したいと思います。

( ディスタンスを保ち、マスクを着用して検品を進める様子 )

ご存知の通り、コロナウイルスはすべての人に大きな打撃を与えました。
当初、ウイルスが中国、ヨーロッパ、北米で広まったため、
ネパールではそれほど多くの問題が発生するとは予想していませんでした。

しかし、 3月以降、私たちの仕事や生活は突然フリーズしてしまったのです。

私たちマハグチでは、政府が 「都市封鎖 ・ ロックダウン」を発表する数日前に、
何ができるのか、可能な限り話し合いをしました。

それでもロックダウンが始まってしまうと、ただただ 私たちは無力でした。

コロナウイルスとは何なのか、そして私たちにどのように影響するのか、
誰も正確には知らない状況で、みな厳しいステイホーム期間に入りました。

フェアトレードバイヤーのほとんどは、できる限りサポートに力を注いでいました。
しかし、市場の状況は深刻で、一部の注文はキャンセルされ、
一部は削減され、延期されてしまうことに。

数週間のあいだ、大きな不安のなかで、完全にものごとが凍ってしまっていたように思います。

( 消毒と手袋・エプロンを着けて。マスクの最終パッキング )

そこから、私たちは とにかく 「今できることを!」 と、「マスク」作りにとりかかることにしました。
しかし、ここでも大きな壁が。
生産ステーションは、どの生産者の家からも遠く離れているのです。

その頃、路上で車で通るためには、特別なパスが必要でした。
警察や救急車両以外は、路上は空っぽの状況。

(補足:ロックダウン中は、家族から1名、朝6時~8時の2時間だけ、徒歩での食料と薬の買い出しのみ外出許可。
不必要に外出すると警察に拿捕されるため、町は静まり返った状態でした。)

とにかく多くの生産者の待つ場所まで生地を届けるために、努力をしました。
色んなツテを頼りながら、政府関係の人への説得を重ねて、
6週間後についにパスを手に入れたのです!

( 少人数だけ出勤が許されるようになって工房が再開したときのフェアトレードマスク検品の様子 )

それから私たちは倉庫から生地をピックアップし、ようやく生産者の家に持っていくことができました。

それでも、ロックダウンのなかで、「物流管理」はとても困難でした。
毎朝、誰が何をするべきなのか慎重に計画しなければなりません。

ある日は 倉庫スタッフを連れて、布の手配を進めました。
またある日は、裁断担当者とともに布を切る作業を進めて、
生産者の住む遠くの村まで、その切った布地を持って行きました。

その中で、私たちが 何より優先的に考えていたのは、
止まってしまっていたsisamの秋冬服を、一日も早く出荷することです。

( 大雨の中、なんとか準備を終えた、出荷直前の荷物 )

毎日が、まさに ゲリラ戦でした。

車や人の動きが限られているので 何をするのも大変でしたし、
限られた人を生産ユニットに連れていくために、私たちは 毎日計画を綿密に立てる必要があります。

ネパールでは、ナンバープレートの末尾の偶数と奇数で、毎日入れ替わりで通行許可が出るのですが、
持っている車は末尾が偶数なので、1日おきにしか本来走行することはできません。
生産の遅れを少しでも取り戻すため、休むことはできません。
奇数の日は、警察のチェックポイントを大回りして避け、隠れるようになんとか走って通ったのです。

警察に捕まってしまったときは、何度も事情を説明し、
コネを使って、なんとか車両を解放してもらったこともありました。

( この 「ゲリラ戦」 を最前線で戦ってくれたのが、このチャンドリカさん。
警察との交渉で、工房にたどり着く必要性を必死で伝えました )

毎日、違う冒険ストーリーが生まれていきました。

そして、、、遂に、 sisamのアイテムを、日本の皆さんに向けて出荷することができたのです!

ブラボー!!

しかし、、、もう一つの 大きな課題がありました。

生産が停止し、小売り店舗からの売上もなくなったため、生産者に支払う資金がないのです。

( コロナ禍前の、工房の様子 )

私たちは、マハグチで働く人々が、どれほど逼迫してその支払いを必要としているかを知っています。
それでも 私たちは無力でした。

ロックダウンのため、オフィスに行くことができず、銀行は閉鎖されています。
私たちは個人的なネットワークを利用して、特に困っている人たちに
お金をいくらか渡すことができました。

また、sisamや他の海外バイヤーに連絡し、前払い金を送ってもらうこともできました。

しかし、ジレンマは、私たちが支払う方法と、果たして、いくら支払うか ということ。
食料品店に食料を買いに行くフリをして、早朝にオフィスになんとかたどり着いて、
生産者への銀行の振込をしたこともありました。

私たちは、彼らの平均月収の半分を、彼らが全く働けなくても、
3か月のロックダウン期間中にすべての生産者とスタッフに支払いました。

(補足:日本の休業補償のような、政府からの補償は一切ありません。)

ロックダウン後の状況は依然として厳しいです。
お店にはお客さんが一人もおらず、がらんとしています。
国際便がなく、一部のチャーター便は高すぎるため、輸出注文は保留中です。
コロナの状況やマーケットの状況が落ち着かず、輸出注文の希望はありません。

家主と原料のサプライヤーや債権者から、支払いを早くするように
容赦なく 電話がじゃんじゃん かかり始めました…!

この乱気流の中で、なんとか墜落せず浮かんでいられるよう 毎日戦っています。

今年の会計年度は7月中旬に終了し、売上高は50%も減少。
ただただ立ち尽くす日々です。

それでも私たちは希望を失わず、私たちの支えであるsisamでつながる全ての人たちの力を得て、戦います。
人類史の最悪の敵を倒し、乗り越えていきます。

私たちはすべての生産者、貿易パートナー、スタッフ、
そして心を寄せてくれているすべての人々に、
私たちが団体の維持をあきらめずに、最善を尽くすのを助けてくれたことに、心からの感謝を伝えたいです。

ありがとうございます。

そしてこの手紙を最後まで読んでくれて、ありがとう。
素晴らしい時を過ごしてください。

心を込めて。

Mahaguthi chief exective officer
スニル・チットラカール

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