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それでも植えています!コーヒーノキ。

SISAM COFFEEの森から 第7話

「SISAM COFFEE」のコーヒー豆を届けてくれている
環境NGO「コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)」の反町さんから
現地レポートの第7弾が届きました。

前回のレポートから、約3か月が過ぎました。
いま、フィリピンはどのような状況なのでしょうか。
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(すくすく苗木が育っている私たちの苗場)

このコラムでも以前紹介させていただきましたが、フィリピンは3月半ばにロックダウンとなり、
そのまま、ずっと基本ロックダウン中です。なんと8カ月。

ロックダウンって何? 結局どういうこと? と思う人も多いはず。

私も改めてウィキペディアで調べてみたら、
「ロックダウン(英語: lockdown)は、緊急事態により、建物やエリアへの出入りが自由にできない状況をいう。
日本語の辞書には記載がなく、現在のところ定義がない」のだそうです。

何となく使っているけれども、人によって解釈が違うかもしれませんね。
「日本においてロックダウンが行われることはなく、そもそもそのような状況下に置かれる事がない」
ともウィキペディアにはあります。

そうか、日本は「外出自粛要請」。
あくまでも「要請」なので、罰金もないし、みんな自主的に外出を控えているってことですね。

(The Manila Times (12月5日)より。マニラ首都圏はいまも一般的なコミュニティ隔離措置(GCQ)地域に指定されていて、外出に関してまだいろいろと厳しい制限があります。)

7,000もの島々からなるフィリピンのロックダウンは、3月半ばには全土に宣言され、
厳しい外出制限が布かれましたが、その後は地域ごとに感染状況に応じた「お任せスタイル」になっています。

世界中のあらゆる国の例にもれず、感染者が大爆発したのは首都のマニラです。

マニラは、ロックダウン前にはものすごい渋滞で、その解消が政府の最大課題とされていました。

小さな家にひしめき合って暮らしているスラム街など、マニラには感染拡大を引き起こす要素は推挙にいとまがありません。

だから、まず、感染者がマニラから流入することを恐れて、どこの地方都市もマニラとの往来を封鎖しました。
長距離鉄道のないフィリピンですから、運行を休止させられたのは長距離バス、航空便、島と島をつなぐ船ということになります。

12月に入って、マニラから比較的近い地方都市との間にバスが運行し始めたようですが、
バギオに関しては、まだ1本たりともマニラとバギオをつなぐバスは運行していません(マニラ―バギオ間の距離は約250キロ。バスで5-7時間ほど)。

大学生のうちの娘は、ロックダウン直前に1週間くらいのつもりでマニラからバギオに帰省し、
今もオンラインクラスが続いていますが、マニラの下宿は8カ月間そのまま放置されています。
パスポートも切れてしまいましたが、ルソン島ではマニラにしかない日本領事館に申請にも行けません。

(バギオ市の長距離バスターミナル。バスは座席を取り外されて宅急便の運搬トラックに様変わり。
たくさんのマニラ行きの荷物がターミナルに集まります。)

もちろん、コーヒー栽培地のある山の村々とバギオをつなぐ路線バスも同じです。
自家用車を持っている人はほとんどいない山の村ですから、公共交通機関がなくなれば、一般の人々の移動はできません。

(バギオから山の村に向かうバスや乗り合いジプニーのターミナルは閑散としたままです。(12月1日))

私たちのNGOでは、「今年もたくさんコーヒーノキを植えるぞ!」と張り切って、
コーヒー植林プロジェクトを2つの村で予定しましたが、苗木を持っていくだけでも大変な苦労でした。

山の村に向かうくねくね道の幹線道路沿いのいたるところにあるチェックポイント(検問所)では、
健康診断書とトラベル許可証の提示が必要です。
健康診断書は町(スタッフが住んでいるのは隣の町)のヘルスセンターで発行してもらえますが、1日100人限定。
そのヘルスセンターに行くためにも、まずは村役場で移動許可証が必要ということで、苗木運搬するための書類の準備のために3日は必要です。
朝5時に行ってもすでに行列だそう。

さらに、車には運転手以外は二人しか乗れず(離れて座らないといけない)、3日かけてとった許可証なのに、
片道6時間かかる植林予定地の村での宿泊は認められず、24時間以内に帰還しなくてはなりません。

そのうえ、苗木をトラックから降ろすにあたっても、町から来たスタッフは車から降りてはいけないそうです。
どこからみても外国人の私は、山の村ではもっとも嫌われる存在で、苗木運搬の車にさえ乗せてもらえません。

(雨の中、運んだ苗木をトラックから降ろす作業)

(村の青年たちが運ばれた苗木を植樹地に運びます)

(こんな急斜面を運んでいきます)

日本は経済優先でなし崩し的に移動を緩和していった感がありますが、
こちらフィリピンの片田舎の、そのまた奥の山岳民族の村は、
独自の判断でこのように厳しいロックダウンをしても生き抜いていける底力があると言えるかもしれません。

(イフガオ州の棚田の村)

食糧、特に主食のコメを自分たちで育てていたら怖いものなしです。
村に共有の森があれば泉もあって飲み水には困らないし、山菜だって採れます。
川が農薬で汚染されていなければ、魚も獲れます。バナナやアボガドなどのフルーツもそこらへんで自然になっています。
米が足りなくなったら、至るとこに植えられているサツマイモでとりあえず飢えはしのげます。
ああ、なんか余裕ですね。

「町の人、できたら来ないでね」と胸を張って言えます。
どこかうらやましくもありました。

執筆:  反町眞理子
Mariko Sorimachi

1996年よりフィリピン在住。
2001年環境NGO「Cordillera Green Network(CGN)」をバギオ市にて設立。
コーディリエラ山岳地方の先住民族の暮らしを守り、山岳地方の自然資源を保全するために、
環境教育、植林、生計向上プログラムなど、数多くのプロジェクトを行っている。
2017年、CGNのスタッフたちとともに、社会的企業Kapi Tako Social Enterpriseを創立。

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