私たちの原風景3
風が吹けば
空、土、木肌、水、雲、花。
スタッフのキドウは、オーガニックコットンの生地にも、
原風景を彩る自然の色を染み込ませた。
キドウは、山に登るのが好きだ。
高いところから景色を見下ろすと、風が自分の全身を通り過ぎていく。
悩みなんて全部流れてしまうほど、清々しい時間だ。
風には、心のなかにしまっている風景を呼び起こす
不思議な力があると思う。
胸に抱く大切な場所も、今私たちが立っているこの場所も
一つの風でつながっている。
そのことを、無意識のうちに感じているからかもしれない。
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毎日身にまとう服にも、そんな心地よさがあれば嬉しい。
どこかに旅に出ることもできない今だからこそ、
ごく身近な日常のなかに、風を感じられる一枚を。
柔らかなコットンニットには、まるで鳥の羽を持ったような
シルエットやデザインにこだわった。
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そよ風にフワリとなびくプルオーバーをまとった日には、
優しい風に吹かれながら、生地の気持ちよさを存分に楽しんでほしい。
きっと気持ちまで晴れやかになるはずだ。
今日も、明日も、良い風が通りますように。
オーガニックコットンの柔らかな生地のなかに
そんな春を待つ祈りを込めて。
手しごとのカケラ
デザイナーのエンドウは、インド各地で脈々と継がれてきた手しごとにも、
原風景の美しさとたくましさを見出した。
もうすぐ春の太陽が昇り、寒さを耐え抜いた小さな命たちが芽吹きはじめる。
暖かい土のうえで、今年もたくさんの春がはじまるのだ。
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幼い頃には、もっと目線の近いところで
季節の到来を教えてくれた野花たち。
大人になった今でも、コンクリートの隙間で可憐に揺れる野花を見ると、
おもわず立ち止まってしまう嬉しさがある。
そんな季節の喜びを、インドのブロックプリントで叶えた一枚だ。
キキョウ、ハス、サルビア…
職人が木彫りした花々の版は、その素朴さがとっても愛しい。
オーガニックコットンの手織りショールのなかで
自由に踊る模様に、私までくるくるとまわりたくなる。
くるくる。くるくる。
ショールとともに、春の到来を心から喜びたい。
ジャムダニ織のショールも、ぜひ手にとってほしい一枚だ。
インド・ベンガル地方に古くから伝わる技法で、
一日に織ることのできる量はごくごく限られている。
そんな伝統技術が、生き生きと輝くようなショールを作りたい。
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エンドウの願いが形となった一枚は、
手しごとのカケラが不規則な幾何学模様となり、ショールのなかでキラキラと存在を放っている。
シルバーやゴールドの煌びやかなアクセサリーをつけるように
伝統技術を楽しんでもらいたい。
一つ一つの伝統には、それだけの価値があると思う。
長い時間とともに人々が紡いできた営みのなかにも、
自然の風景と同じ、広大で力強い美しさがある。
アジア各国の生産者が形にした”原風景”は
そんなことを私たちに感じさせてくれる。
150種に及ぶ2021年の春夏コレクションが、
あなたのより良い今日を、明日を、描く力となりますように。
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タニ