世界を変えるこの一着(6)

～ファッションレボリューション特別コラム～

2021年4月24日。
今年も「ファッションレボリューションデイ※」の名のもとに、世界中で多くの人が声をあげている。

私は、sisamで働く8名のスタッフに話を聞いてみた。
彼女たちが日常のなかで紡ぎだす、等身大のファッションのお話。

これは私の話でもあり、きっとあなたの話でもある。

私と世界をつなぐもの

なんば店スタッフのノグチは、
昔も今も、古着をこよなく愛する人だ。

古着からは、その服にしょわれている歴史を感じることができるという。

３０年前、５0年前、その瞬間、誰かが「かっこいい」と感じていたファッションが
時代や国境を越えて、いま自分を包んでくれている。

その時々を生きた人たちの「かっこいいの歴史」を感じ、つながることができる。

服を通して、自分と世界をつなぐことのできる、かけがえのない喜びだ。

ノグチは、シサム工房でたくさんのフェアトレードの服と出会った。

今、まさに海の向こうで暮らしている作り手たちのことを知ったことで
古着をとおして今まで”想像”でつながっていた服の背景が、
リアルに目の前に広がっていった。

たった今も、どこかで静かに紡がれている手仕事の素晴らしさを、
袖を通すことで直に味わうことができる。

そしてそれを選ぶことで、その技術を未来へとつなぐ一助にもなる。

「新しい服」にも、日々感じていた喜びが、目前に広がる大きな世界が、
ノグチを待っていたのだ。

この春にノグチが出会ったのは、オーガニックコットンで作られたソヨカゼPullover。

生地が素晴らしいことは、言わずもがな。

フロント丈の絶妙な短さと袖の細さが、
身体のバランスを美しく見せてくれる。

お気に入りのサロペットとも相性バツグンだ。

デザイナーがこだわり抜いたシルエットが、
気持ちの良い生地感と見事にマッチした。

「ほんまありがとう！！」と思わず言葉にしてしまうほど
ノグチが大好きな一枚だ。

しかも、暗めカラー愛好家のノグチが手に取った色は、白。

コンパクトな正方形トップスなので、程よく謙虚な差し色に。
白デビューにももってこいなアイテムだ。

レフ版効果と春の光で、顔まわりにぱっと花が咲く。

腰周りが気になる人、隠したい人にこそ、あえて選んでほしい一枚だ。
ハイウエストなバランスで、新たなかっこ良い自分と出会えるはずだ

シンプルな一枚が持つ、奥深い頼もしさを、多くの人に知ってほしい。

自信を持って、背筋をピンとはって。

春景色のなか、風をきって歩くあなたの姿が、私たちには見える。

ノグチは、多くの人にそれぞれのファッションを楽しんでほしいと話す。

“「流行だから」服を買う。のではなく、
「楽しむために」服を買ってほしい。

私にとってファッションは、自分と世界をつなぐもの。

着ることで、自分から外の世界に何かを発信することだってできると思う。

服から想像できる世界を含めて、日々「着る」ということをおもいきり楽しんでほしい。

それはきっと、何を楽しんで生きていくかということにもつながっていくはずだから。”

ノグチのように、楽しく、自由に、世界を感じられる人になりたい。

今日の私が選んだ一枚が、今日私が生きる世界を
少し変えてくれるはずだ。

 

FAIR TRADE LIFE STORE by sisam FAIR TRADE
タニ

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※ファッションレボリューションデイ

2013年4月24日、バングラデシュの「ラナ・プラザ」ビルが崩壊し、
そこで働いていた1100名を超える衣料労働者が亡くなった。

当時の労働環境や作り手の人権問題が明らかになり、
この事故をきっかけに、人々はファッションの裏側にある世界へ目を向け始める。

衣料生産の現場で働く人々の労働環境に目を向け、
適正な賃金が払われているかを訴える、世界規模のムーブメントが
ファッションレボリューションだ。

特に事故のあった4月24日は、「ファッションレボリューションデイ」とされ、
毎年、世界各地で多くの人が声をあげている。