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世界を変えるこの1着 (1)
~ファッションレボリューション 特別コラム~
2013年4月24日、バングラデシュの「ラナ・プラザ」ビルが崩壊し、
そこで働いていた1100名を超える衣料労働者が亡くなった。
数えきれないほどの多くの痛みや悲しみのなかから、
私たちは一つの”問い”を目の当たりにする。
今日着ている服。
その生産の裏側で働く人々の労働環境や賃金のことを、
どれだけの人が知っているだろう。そして、知ろうとしているだろうか。
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あの事故から、8年が経った4月。
今年も「ファッションレボリューションデイ※」の名のもとに、世界中で多くの人が声をあげている。
私は、sisamで働く8名のスタッフに話を聞いてみた。
彼女たちが日常のなかで紡ぎだす、等身大のファッションのお話。
これは私の話でもあり、きっとあなたの話でもある。
第1話 ストーリーを手繰り寄せ
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ファッションは、その日の気分を変えるものであり、私を表現するもの。
そう話すのは、シサム工房で17年もの時間、フェアトレードの仕事と向き合ってきた商品部のエンドウ。
選ぶのは、「誰かに見せたい」服ではなく、
自分が気持ちよく過ごせる服。
数々のユニークで素敵な品をデザインしてきたエンドウらしい
一本芯の通った、清々しい答えが返ってきた。
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“昔から藍染のものや手紡ぎ、手織りのものが好きで、
それを身に着けているだけで落ち着きますね。
その後ろで作られている技術や、その人たちが生きる営みそのものが
自分が好きなものだから。”
そんな風に感じるようになったのは、シサム工房に入社してからのこと。
それまでは、「周りが着ているから」と、世間一般と合わせようとする自分がいたと話す。
“今ではそんなこと全く気にしなくなりましたね。
身近な人で、素敵な服やな~いいなぁ~と思うことはあっても、
自分らしく自由であることは、この先もずっとそうだと思う。”
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エンドウにとって、この春、たくさんの人に手にとってほしい一枚がある。
ハス、サルビア、キキョウ…たくさんの野の花が生地のうえでおどる
ノノハナモクハンショールだ。
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シンプルな服、もう何年も着古した服でも
新しいショールを足すことで、一気に華やぎ、知らない自分と出会える。
あくまでワンポイントだからこそ、どんな人にも開かれたデザインだ。
実はこの一枚には、エンドウの特別な想いも込められている。
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“数年前、インドの村をまわっていたときに、
ブロックプリントを作る人たちと話す機会がありました。
プリント技術が進む今、年々彼らの仕事が減っていきているそう。
今回、「野の花」というブロック模様を新たにオーダーして作ってもらったのは、
そんな彼らの手仕事を途絶えさせてはいけないという願いもあるからなんです。”
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小さな村の小さな工房で、はるか昔から継がれてきた手仕事が、
海の向こうで、いまこの瞬間も懸命に呼吸をつづけている。
そのことを少しでも多くの人に知ってもらえるきっかけになれば嬉しい。
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“服って一着一着、ストーリーを持っていると思うから。
私は、私が愛しいと感じるストーリーを持つ服を選びたい。
人間の手の中で作られたものは、やっぱりすごいし、尊敬してやみません。
一度消えてしまったら、もう蘇らないかもしれない。
手から手へバトンを渡されてきた大切な営みを
昔話にしたくないんです。”
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わたしが失いたくないと感じるストーリー。
あなたが愛しいと感じるストーリー。
私たちが、そのストーリーを日常に手繰り寄せたとき、
未来が少し、変わるかもしれない。
FAIR TRADE LIFE STORE by sisam FAIR TRADE
タニ
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※ファッションレボリューションデイ
2013年4月24日、バングラデシュの「ラナ・プラザ」ビルが崩壊し、
そこで働いていた1100名を超える衣料労働者が亡くなった。
当時の労働環境や作り手の人権問題が明らかになり、
この事故をきっかけに、人々はファッションの裏側にある世界へ目を向け始める。
衣料生産の現場で働く人々の労働環境に目を向け、
適正な賃金が払われているかを訴える、世界規模のムーブメントが
ファッションレボリューションだ。
特に事故のあった4月24日は、「ファッションレボリューションデイ」とされ、
毎年、世界各地で多くの人が声をあげている。