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世界を変えるこの1着(7)
~ファッションレボリューション特別コラム~
2021年4月24日。
今年も「ファッションレボリューションデイ※」の名のもとに、世界中で多くの人が声をあげている。
私は、sisamで働く8名のスタッフに話を聞いてみた。
彼女たちが日常のなかで紡ぎだす、等身大のファッションのお話。
これは私の話でもあり、きっとあなたの話でもある。
第7話 はじまりは帰り道
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幼い頃からサキヤマは、カラフルな色が大好きだった。
“まだ小さい頃、暗い色の服を着ると、なぜか気持ちまで冷たくなってしまって。
私と同じく、カラフルなものが好きなおばあちゃん。
おばあちゃんがくれた服を着るだけで、とびきりの笑顔になっていました。”
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今でも、実家で眠る画用紙のなかでは、
虹色の服を着た少女がかわいい笑顔を輝かせている。
大人になった今でも、ファッションは毎朝のクリエイティブ。
今日をどんな風に過ごしたいのか。
サキヤマにとっては「今日、何を着るのか」が同じ意味を持つ。
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“ヨガをするようになって、身体と心がいかに結びついているのか
分かるようになりました。
服だって一緒だと思うんです。
しんどい日には、あえて一番好きな服を着たり。
ファッションは、心を元気にしてくれる力を持っていますね。”
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サキヤマは、お店で初めてフェアトレードの服を買った日の
帰り道のことが忘れられないと話す。
“服を買うことで、これほど嬉しい気持ちになるのかと…。
初めての経験でした。
一枚の服を買う前と後で、自分の気持ちにこんなにも変化があるのかと驚きましたね。”
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好きな服を買った自分の「嬉しい」。
商品を買ってもらえたお店の「嬉しい」。
そこに作り手の「嬉しい」が重なった瞬間に、
私たちの幸福感は、不思議と何倍にも膨れ上がる。
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“想像だけではやっぱりわからない。
自分で実際に買ってみたからこそ、出会えた気持ちでした。”
その時に出会った一枚は、サテン生地のブラウス。
インドの女性たちの手刺繍が、今もサキヤマの日常のなかで躍っている。
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そしてこの春も、サキヤマの目にとびこんできたのは
まるで一枚の絵のように刺繍がほどこされたショートKURTAだ。
“手刺繍が何でこんなにも好きなのかなぁって考えてみたんです。
きっとそれは、作っている人の気持ちが糸のうえに表れているからだと思います。”
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”刺繍の模様に、その人の個性が浮き出てくるんです。
ここだけ多めに刺繍してくれてるのは、サービス精神!?
あ、ここは集中力切れたのかな?お腹空いてたのかな?とか。
同じ柄なのに少しずつちがう。
それが手仕事の良さなんだと、改めて教えてもらいました。”
手が長く美しく見えるシルエットは、
誰でも着こなせるシンプルさも兼ね備えている。
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3サイズで作っているのも、それぞれの描く自分にぴったりな一枚と出会ってほしいから。
袖がさりげなく綺麗に広がるさきには、また手刺繍がちらちら。
身にまとう人の視界を、一日中美しく縁取ってくれるブラウスだ。
“こんなにきれいなのに、白Tシャツをアップグレードさせた感じで、カジュアルに着られるんです。
今持っている服と気軽に合わせられるのもポイントですね。”
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“特別な日には、テンセルなどの光沢生地と合わせて。
ぐっと胸が高まるコーディネートに仕上がるはずです。”
お店に行くことが叶う人なら、ぜひ実際に手刺繍に触れてみて、
その一枚一枚のなかで息づく個性を感じてほしい。
フェアトレードの世界に身を置くスタッフとの出会いも魅力の一つ。
ぜひ会話や交流のなかでお買いものを楽しんでください。”
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他の多くの人がそうであるように、
最近になるまで、服の向こう側の世界を気にすることはなかったと話すサキヤマ。
ふと家にある服を裏返してみる。
タグには、「MADE IN CAMBODIA」の文字。
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“カンボジアのどんな工場で、誰が、どんな気持ちで作ったものなんだろう。
学生時代に何度も訪れたカンボジア。
そこで働いていた人々の顔が、思い浮かびました。
ファッションレボリューションが、新しいものの見方を手に入れるきっかけとなったように思います。
フェアトレードの衣料の多くは、流行り廃りなんて関係のない、長く長く楽しめる一生モノ。
クローゼットのなかにそんな一枚があるだけで、幸せな気持ちになります。
一枚の服の選択が、豊かな暮らしや人生の入り口になることだってあると思うんです。
sisamの服が、誰かのそんな入り口になれたらいいな。
そして私自身が、そのことを自分の言葉で伝えられる人になっていきたいです。”
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初めてフェアトレードの服を買った日、
サキヤマが帰り道に見た景色。
同じ景色を、たくさんの人が目にすることのできる社会は
遠い夢物語ではないはずだ。
FAIR TRADE LIFE STORE by sisam FAIR TRADE
タニ
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※ファッションレボリューションデイ
2013年4月24日、バングラデシュの「ラナ・プラザ」ビルが崩壊し、
そこで働いていた1100名を超える衣料労働者が亡くなった。
当時の労働環境や作り手の人権問題が明らかになり、
この事故をきっかけに、人々はファッションの裏側にある世界へ目を向け始める。
衣料生産の現場で働く人々の労働環境に目を向け、
適正な賃金が払われているかを訴える、世界規模のムーブメントが
ファッションレボリューションだ。
特に事故のあった4月24日は、「ファッションレボリューションデイ」とされ、
毎年、世界各地で多くの人が声をあげている。