
パトムと私のショートストーリー
~ 商品部だより vol.9~
今回は、商品部キドウが語る
パトム(PaaTooMuu)シリーズのお話です。
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10年以上もの間、デザインを変ることなく
愛され続けているPaaTooMuu(パトム)シリーズ。
タイ、チェンマイの女性達が丁寧に縫い上げる洋服たちは、南国の柔らかな風
が吹き抜けていくような軽やかな着心地。
シサム工房のスタッフの中でも愛用者が多く、誰もが1枚は持っているという…。
そして入社して早3年、いつのまにやら私もパトムシリーズのファンの一人に。
そんなパトムと私のショートストーリー。
しばし、お付き合いください。
最強の黒
わぁこんな時間だ!早く着替えねば!と、慌てている朝に決まって手に取る服がある。
この黒のプルオーバーだ。

その理由はとにかくどんなシルエットのボトムとも相性よく決まる完璧なシルエット。
アイロンせずに洗いざらしをそのまま着てもサマになる生地感。
時間がない朝の救世主だ。

こんなに手軽に着られるのに、この深い黒がきちんとした印象に見せてくれる。
そして、何よりもこの黒を着ると気持ちがしゃんとして、さあ行くぞ!という気持ちにさせてくれる。
ゆとりのある軽い着心地、まるで空気を纏っているかのよう。
麻と綿の混紡生地なので洗濯してもすぐに乾くのも嬉しい。

クローゼットにこの黒がスタンバイしていてくれると忙しい朝も安心して迎えられる。
私の最強の黒!
包容力のベージュ
一方が最強の黒なら、こちらは包容力のベージュ。

全く同じデザイン・生地ながら色の違いでイメージががらりと変わるので面白い。

このベージュに袖を通すと、自然と穏やかな気持ちになるから不思議だ。
柔らかなベージュに体も心も包まれているような感覚、黒を着る時とはまた違った気分。

個性的な手織り生地の黒ストライプ生地のパンツと合わせても
優しい雰囲気をつくってくれる懐深きベージュ!

シャリ感のある生地も心地よく、ふわっと風を通してくれる。
やわらかな風と共に自分を包んでくれる優しきベージュ。
穏やかに過ごしたい時のよき相棒だ。
私の小さな海
スカートが苦手で子供の頃からずっとズボンばかりはいていた。
動きにくいし、甘く見えるのが嫌だし、そして何より自分には似合わないと思っていた。

でもこのスカートはそんな思い込みを見事に吹き飛ばしてくれた。
履いた瞬間にその着心地のよさとインディゴの凛とした青に魅了された。
丁寧に折られたピンタックの縦ラインが、甘すぎない大人の雰囲気に。
ゆったりした足周りが足さばきをよくしてくれるので動きにくさもほとんど感じなかった。

何より魅力的だったのはその色合いだ。

この青い生地はよく見ると、青だけでなく黒、濃紺、白と様々な色が重なっていて、
まるでさざ波よせる海のようだ。

タイの小さな村で丁寧に染め上げられた小さな海。
手で織られたその生地は履き込む度に柔らかく肌に馴染んで、どんどん愛おしくなる。

この年になってスカートを履くようになるとは思ってもみなかったけれど
四十路にして、スカートデビューもいいもんじゃないか!
足元に広がる小さな海と、さあ今日も歩いていこう。
商品部 キドウ