奥ゆきある世界を
ゴーーーーーン・・・
NHK「ゆく年くる年」から聞こえてくる鐘の音とともに、
新しい年の幕があがりました。
さっきまで紅白歌合戦を見ながら大声で演歌を歌っていた私も、
この瞬間だけは厳かな面持ちで、新たな一年の足音に耳をすませます。
皆さま、新年あけましておめでとうございます!!
新年の朝は、空気が真っ新になったような清々しさがありますね。
我が家自慢の白味噌のお雑煮をほおばりながら、「今年はどんな一年にしたいかな…」とぼんやり考えます。
昨年は私にとって、大きな変化のあった一年でした。
何よりの変化は、「シサム工房」に入社して、FAIR TRADEが自分の仕事になったこと。
そして、広い眼差しをもつスタッフやたくさんのお客さまとの出会いの中で、
日々の生活の景色に、「奥ゆき」を持てるようになったと感じています。
sisamの品に関わる生産者や彼らの暮らし、受け継がれてきた伝統文化、素材が生まれる環境・・・
ものの向こう側を感じることができるだけで、毎日の時間がこんなに豊かになるのですね。
先日、生産地へ出張に訪れたスタッフから、インドの手織村について話を聞きました。
手織りウールのキュロットパンツやジャンパースカートは、この冬のパートナーとして愛用されている方も多くいらっしゃいます。
手織りウールが作られているのは、インドの北東部のはずれにあるマソーリ村。
都心部から車で悪路を約2時間走り、田園地帯を抜けたところにあるのどかな村です。
イスラム教の家庭はヤギを飼う人が多く、あちこちで可愛いヤギたちがべぇべぇ鳴いています。
村の主な産業は、農業と手織り。
必要な道具がない家は、村で道具を持っている人の家で貸してもらうなど
村人同士で協力しておこなっています。
電気は一応通っているものの停電がかなり多いので、
電気に頼らずできるこの仕事は、この村の人にとってとても貴重だそうです。
模様織の場合は、できあがりの模様を想像しながら糸をセットしていきます。
職人たちの技には本当に驚きですね…。
一家に一台あるという年季の入った織り機。
両手両足を使い分けながら、かなり力のいる作業なので、1時間おきに家族で交代しながら作業していきます。
一日中交代しながら1週間織り続けて、織れるのは70mほど。
私たちが普段身に付けているパンツの30枚分ほどです。
機械での大量生産と違い、人の手でしか決して生み出せない
美しさや味わいがそこに宿っているように思います。
海を越えて、私たちの手元にやってきてくれた時は、ぽこぽことした優しい生地感に、
おもわず笑みがこぼれてしまいました。
手織りの技術に誇りをもっている職人たち。
これから新しい技術にも挑戦していきたいと、笑顔で語ってくれました。
そして、若い人を育てて、村で受け継がれてきた技術を、未来へ紡いでいってもらいたいということも話されていました。
自分の日々の生活で目にするもの、触れるものは、
そんな「誰かのストーリー」で溢れているということを教えてもらった2018年。
そして、そんな「奥ゆきのある世界」を、私なりの視点で伝えていきたいと、想いを新たにする2019年。
Online Storeと聞くと、どうしても機械的なイメージもありますが
生産者や私たちスタッフの温度が伝わるような
楽しく温かい場所を、これからもつくっていきたいと思います。
2019年も、皆さんの日々を彩る、たくさんの素敵なストーリーをお届けしていきますので、
どうぞよろしくお願いいたします!
皆さまにとっても、笑顔溢れる良い一年になりますように。
FAIR TRADE LIFE STORE by sisam FAIR TRADE
タニ
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手織り村でつくられているテオリシリーズは >>コチラから<<