クルタの新時代
シサムを代表するロングセラーアイテムとして、
多くの人を魅了してきたKURTA(クルタ)。
今年、生地やデザインを一新して、生まれ変わった。
長年愛され続ける魅力はそのままに、より洗練されたデザインに。
そして、生地はオーガニックコットン100%に。
インド・ラクノー地方の原風景が宿る美しいチカン刺繍、
そして、人や環境に優しいオーガニックコットンを、より多くの方に楽しんでいただけますように。
そんな想いが詰まった今回のリニューアル。
しかし、道のりは簡単なものではなかった。
オーガニックコットン化への道のり
今回、インドのフェアトレードパートナー「カラティマク」にとって、
オーガニックコットンの生地を取り入れるのは初めての試みとなる。
カラティマク代表のラリさんは、新しく建設を進めている工場のエネルギーを、
すべてグリーンエネルギーでまかなおうという挑戦をしており、
サステナブルに対する熱い想いを持っている。
しかし、当初オーガニックコットン化に向けて１つ心配な点があった。
生地をオーガニックコットンにするということは、
必然的に価格も上がることになる。
私たちとカラティマクのフェアトレードにとって、「生産者に継続的に仕事を作っていくこと」、
つまり発注量を減らさないことはとても大切なことだ。
価格が上がるということは発注量も減ってしまうのでは？
発注量が減るくらいなら今のままの方が良いのではないか。
だが、デザイナーのミズカミには、クルタの持つ魅力は、
もっと多くの人に広がっていくはずだという確信があった。
発注量を減らす必要はない。
“入社当時にカラティマクの手刺繍を見た時の感動は今でも忘れられません。
12年間愛され続けてきたクルタですが、オーガニックコットン化することで、より人や環境に優しいものとなり、
デザインをさらに工夫することで、より多くの人にその魅力が広がっていく確信がありました。”
ミズカミがその想いをラリさんに話したところ、
ラリさんも、その想いを受け止めてくれ、オーガニックコットン化が進むこととなる。
コットンの栽培法のなかで、今は全体の1%にも満たないオーガニック農法。
サステナブルなムーブメントの高まりの中で、世界的な需要が高まってきており、
生産が追い付いておらず、生地を手に入れることが簡単な状況ではなくなってきている。
今回、カラティマクにとっては、オーガニックコットンの生地を手に入れることからが始まりだった。
まずはオーガニックコットンの生地を扱う生地屋さんを探すところから始まり、
なんとか早い段階で生地を発注できたが、生地の発注ロットが大きい大規模な団体から優先的に発送されるという現実があるため、
当初2021年の夏に届く予定だった生地がカラティマクに到着したのは、2022年の年が明けてから。
そこから、私たちの手に届くまでの時間が半年もない中で、
カラティマクの作り手たちは必死の想いで作業を続けた。
様々な人たちの努力の結果、作り上げられたクルタたち。
小さな生産者団体にとって、オーガニックコットンを扱うということは、
とても大きな挑戦だ。
カラティマクが大きな一歩を踏み出してくれたことによって
成し遂げたオーガニックコットン化。
そんな情熱が込められたクルタは、
一生ものの一枚になるはずだ。
装い新たに
今回のリニューアルでは、愛され続けてきた魅力を失わないように、
変える部分、変わらずに残した方が良い部分を考え抜いたデザインに
なっている。
KURTAも、ショートKURTAも、豪華な手刺繍はそのままに。
クルタの刺繍デザインは、ラクノーで暮らす人々の見る風景や、その土地で暮らすことで生まれる感性を感じてもらうために、
あえて生産者にデザインをまかせている。
スタンプ職人さんがラクノーの風景からイメージして作り出す、
唯一無二のデザインだ。
KURTAは、前面の刺繍デザインをすっきりさせ、首元がスタンドカラーに一新。
ボタンの大きさも一回り小さくなり、首回りがすっきりと上品になった。
丈も少し長くなり、より美しく見えるシルエットを追求。
スリットもより深く、動きやすさも兼ね備えたデザインに。
スリットラインに合わせて施された美しい手刺繍もポイントだ。
左：RH OCシサムノKURTA / CH タイプライターシガレットPT（スタッフ身長：160ｃｍ/サイズ１着用）
右：RH OCシサムノKURTA / MH パネルストレートPT（スタッフ身長：163ｃｍ/サイズ１着用）
より私たちが着やすいように改良が重ねられたシルエットは、
一枚で着るだけで、洗練された雰囲気を与えてくれる。
細身のパンツと合わせて、すっきりと決めるのもよし。
腰回りが隠れる丈感なので、ゆったり目のパンツとの相性も抜群だ。
ショートKURTAは、センタースリットが入った首回りとなり、
より抜け感のあるデザインになった。
さらに、刺繍デザインは、より繊細な雰囲気に。
今回からは背面にも手刺繍が散りばめられている。
センタースリットと刺繍の組み合わせが醸し出すオリエンタルな雰囲気が魅力だ。
左：RH OCシサムノショートKURTA / MH ユッタリギャザーPT（スタッフ身長：160ｃｍ/サイズ１着用）
右：RH OCシサムノショートKURTA / MH HCタックフリルラップPT（スタッフ身長：156ｃｍ/サイズ１着用）
ショートKURTAは、カジュアルな着こなしがおすすめ。
涼しい季節には、ジャケットやカーデを羽織った時に、ちらりと刺繍を見せるのも美しい。
シンプルに着こなしても、太めのパンツと合わせて、リラックスした雰囲気で着こなしても。
一枚で主役になってくれる。
伝統と文化の魅力的な部分はそのままに、
温故知新の精神で改良が積み重ねられた逸品であるクルタ。
たくさんの人にとって、大切な一着になってくれますように。
これまでの歩みにリスペクトを込めて、
新たな歴史の始まりを祝福したいと思う。
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フルカワ
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