SISAM COFFEEの新しい挑戦
この夏、SISAM COFFEEに新ブレンドが登場します。
その名も、『SISAM COFFEE Neighbor’s Special Asian Blend』。
これまで、フィリピン・コーディリエラ地方のコーヒー豆のみを使用し、その産地の個性を特徴としてきたSISAM COFFEE。
今回は新しい挑戦として、おなじみフィリピンをはじめ、
その隣国であるタイ、ミャンマー、東ティモールの豆をブレンドすることでバランスのいいコーヒーを開発しました。
ブレンド誕生の背景
近年、フェアトレードコーヒーの需要は高くなってきています。
しかしフェアトレードを必要とするコーヒー農家は規模が小さく、生産量を増やすことは容易ではありません。
昨年の夏、SISAM COFFEEはフィリピン・コーディリエラ地方の豆の不作、
および感染症拡大による影響により数か月の間、販売を停止する事態となりました。
フェアトレード事業では、生産を買い支えることと、
そのための販路を確保することが継続の鍵。
これまでのように、ひとつの生産国、生産者に頼ったままだと
シーズンによる収穫のばらつきの影響などをダイレクトに受けてしまいます。
「フィリピンのコーヒー農家の豆を、継続して販売する方法はないか。」
その答えが、これまでの中煎・深煎に加えて「ブレンド」のバリエーションを展開する事でした。
味わいの新たな選択肢を提供するだけでなく、
豆の輸入先を分散させることで、継続してお客様のもとへ
SISAM COFFEEをお届けすることが可能になります。
豆の生産地へのこだわり
ブレンドを作るにあたって、
新しくミャンマーの豆を使うというのがまず条件の中にありました。
ミャンマーでは、2021年にクーデターが起こって起こって以降、
事実上の最高指導者といわれていたアウンサンスーチーさんが軟禁状態に。
軍事政権に反対する市民に対する容赦ない弾圧や暴力行為が今も続いています。
その現状を知って、私たちに何ができるか?と考えたときに
フィリピンの豆とブレンドして、より多くの人に知っていただく事で
農家さんを買い支えていくというのがフェアトレードブランドとしてまず思いつく事でした。
今回、ブレンドに使用する4か国の豆はいずれも、
森林農法またはシェードグロウン、農薬化学肥料不使用。
輸入方法も、フェアトレードやダイレクトトレードなど生産者に寄り添った豆を使用しています。
また、アジアの豆を使用することで一般的なコーヒーに比べて輸送距離が短かく、
エネルギーやコストを抑えるといった、フードマイレージの面にも配慮しています。
海ノ向こうコーヒーと共同開発
焙煎・ブレンドは、シサム工房と同じ、
京都に焙煎所を構える坂ノ途中・海ノ向こうコーヒー事業部に手掛けていただいています。
名前にある「Neighbor‘s Special」 は、
“ご近所”である海ノ向こうコーヒーさんと取り組んだ特別なブレンドという意味も。
今回、生産背景にここまで納得するものが作れることが出来たのも、
海の向こうの産地が抱える課題に日々向き合う海ノ向こうコーヒーさんとの共同開発が叶ったからこそです。
生産背景も、そして味も妥協はしたくない。
ブレンドをつくるにあたり、海ノ向こうコーヒーの焙煎士さんと何度も試飲を繰り返しました。
まず、各国の豆を3段階ぐらいの焙煎でそれぞれ焙煎してくださり、
それぞれの味を確かめるために、シングルオリジンで煎れたものを味見。
それぞれに甘味や酸味、苦味などの特徴があり、
それを踏まえた上でこんな味になるかな?という予測をたてながらブレンドしていきます。
もう少し甘味が欲しいなと思ったらミャンマーの割合を増やしてみたり、
もうちょっと香りが欲しいなと思ったら東ティモールを足してみたり。
納得のいく味にたどり着くまで、何度も何度も試飲を繰り返します。
そしてついに、『これいい!おいしい!』と思える、特別なブレンド比率にたどり着きました。
コーヒーらしいほろ苦さの後から甘みが追いかけてくるまさにビターマイルドなコーヒー。
アジアのコーヒー豆それぞれの特徴が混ざりあい、
コクのあるマイルドな、飲みごたえのある一杯となりました。
持続可能な農業と社会への想いを持った人々とともに、長い時間をかけて作り上げた一杯。
sisamの考え方の根底にある「5方良し」を維持したまま、
生産背景から味のクオリティまで納得のいく、特別なブレンドコーヒーが完成しました。
SISAM COFFEEの新しい味わいに、たくさんの方が出会っていただけますように。
そして「美味しい」の時間を通して、
sisamやフェアトレード事業の新たな挑戦に エールをいただけると嬉しいです。
SISAM COFFEE Neighbor’s Special Asian Blendは >こちら<