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スニルさんとマハグチ
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ネパールからはるばる来てくれたスニルさんとスニタさんご夫妻。
スニルさんは、sisamのパートナーとして共にものづくりをしてきたフェアトレードNGO Mahaguthi(マハグチ)の代表です。
この団体で働く人々は、スタッフや作り手をあわせると、1000を超えます。
なんだかすごい人が来るぞ…。
英語が苦手な私は内心びくびくドキドキしていましたが、言語の壁を軽々と飛び越えてくれる温かい笑顔に、一瞬で心をほぐされました。
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今回の来日で、スニルさんが私たちに話してくれたこと。
それは彼がマハグチとともに歩んできた数十年の道のりでした。
マハグチとの出会い
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大学卒業後、マーケティングの仕事に就いたスニルさん。
日々、会社に貢献し、利益を生み出すなかで、ふと問いが生まれたといいます。
「自分はなぜこの仕事をしているのか」
どうしてもその理由が自分から湧いてこない。
毎晩自分に問い続けた末、ある金曜日の夜、
会社への感謝の手紙を書き、辞める決意をしました。
その後、4年ほどフリーで働いたあと、いまのMahaguthi(マハグチ)にあたる団体に出会ったのです。
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それはまだ「フェアトレード」という言葉もなかった頃のこと。
女性たちの自立、雇用を生み出すためのプロジェクトとして走り出しているところでした。
数年だけ身を置くつもりが、気づけば20年以上の月日が。
そこまで自分を留まらせたのは、共に働く人々の存在が大きかったと話します。
誠実さと深い情熱を携えた仲間とともに、奔走する毎日。
とても大変な日々でしたが、人々の為にやれることは山ほどありました。
マハグチが乗り越えてきたもの
ネパールで内戦がはじまった1996年。
政情が不安定ななかで、マハグチもまた危機にさらされます。
家族を殺された女性たちが、マハグチのあるカトマンズに逃げてきたときは、
シェルターをつくって匿うこともあったそうです。
誰がどの思想かわからない疑いの時代のなか、家族が脅迫にあったり、身近に死の恐怖がひそむ毎日。
それでもマハグチが歩みを止めてしまうことはありませんでした。
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その後も、大地震やエネルギー不足など、様々な困難を経験してきたスニルさんやマハグチの人々は
そのたびに乗り越えて、乗り越えて、多くの人々の生活を、そして”生きる”ことそのものを支えてきたのです。
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そして数年前、ネパールでもコロナウイルスによるパンデミックが起こりました。
ある日、ネパール政府から言い渡された「2時間後から外に出てはいけません」という突然すぎるロックダウン。
政府からの補償や補助は何もありません。
何?何が起こってる?
いろいろな困難を乗り越えてきたスニルさんでさえ、頭が真っ白になりました。
日銭で生活を支えている多くの作り手にとって、仕事がなくなるということは命に直結します。
「ものづくりを止めてはいけない」
それはもちろん生きるための金銭面もあるけれど、先の見えない状況で、自分たちの気持ちを止めてしまうことの怖さを感じていたそうです。
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「とにかく何でも良いから手を動かすんだ。このロックダウンは必ず明ける!」
そこでまず動き始めたのは、マスクづくりでした。
警察の目をかいくぐり、バケツリレーのように作り手の家々に生地を届け、
捕まってしまったときは何度も事情を説明し、工房にたどり着く必要性を必死で伝えたといいます。
何か月ものあいだ、未来を自分たちの力で手繰り寄せるように過ごしたマハグチの人々。
混乱と不安がまだ色濃く残る状況のなかでも、sisamへの出荷をなんとか実現させてくれたのです。
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春夏秋冬、こうして途切れることなくマハグチの服に袖を通せていることを、私は当時「奇跡」のようだと感じていました。
でも本当は奇跡なんてものではなく、人の内側から生まれるもの。
あぁ、人の力そのものなんだと、いまあらためて分かります。
スニルさんから私たちへ
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「でもね、いつでも近くにはフェアトレードパートナーの存在があったんだよ。」
話の最後にスニルさんが私たちにそう言ってくれました。
sisamで働く私たち、そしてsisamの服に袖を通してくれている方々の存在を
スニルさんは「パートナー」と表現します。
作り手。売り手。買い手。
フェアトレードのビジネスという仕組みのなかで、それぞれの立場で生活をしている私たち。
けれど、苦しい時にこそ近くに感じることのできる、家族や友人のように支え合うパートナーでもあるのだと。
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最後に、スニルさんからのメッセージを皆さんへ届けさせてください。
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皆さんには選択をする力があります。
そして同時に、その責任も持っています。
フェアトレードに共感し、選択をしてくれて、ありがとうございます。
私たちはそれに応えるために、これからもベストを尽くしていきます。
大切なのは、フェアトレードの存在は、生産者たちにとって本当に重要なインパクトがあるということ。
生産者たちは、十分な教育を受けて、今の職に就いたわけではありません。
もしもフェアトレードがなければ、職に就く機会も得られなかったかもしれない。
いま、生産者たちは尊厳のある人生を送ることができています。
それは、皆さんがフェアトレードを選ぶことによって成し遂げられたことです。
私たちマハグチは、あなたへ心からの感謝を贈ります。
2023.5.12 Sunil Chitralar
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