いま読みたい本 2

sisamのスタッフは、本好きが多い。

それぞれの本の趣味がまたなんともバラエティ豊かで、いつか事務所の片隅に
sisam図書室を作ってもらえないかとひそかな夢を抱くほど。

今回も、2人のスタッフの「いま読みたい本」第2弾を紹介します。

ダイニングテーブルから世界へ

もともと食べること、料理をすることが大好きなスタッフのタカハタ。

そんなタカハタが愛する本たちもやはり、美味しい香りのしてくる一冊ばかり。

ページをひらくと、そこは行ったことのない国の景色が広がっています。

知らない街かどを歩いて、お菓子の香りに誘われて…。

そんな妄想をしながら、ワクワクしているそう。

“実際の食事だと、そんなに一気に食べることはできないけれど
本だと、どれだけ読んでもお腹いっぱいにならないでしょ？

その国の空気のようなものや、文化も一緒に、味わえる気がするんです。”

“今は出かけることができないから、せめて本のなかで旅を。

ダイニングテーブルに、コーヒーと本を置いて、さぁ読むぞ！って。

今はみんなが窮屈な思いをしている日々。
でも毎日を過ごすうえで、ワクワクする気持ちを忘れてしまいたくないんです。

この空気に呑まれずに、深呼吸するようにページをめくって。

心を自由にすることができる大切な時間です。”

本のレシピをもとに、実際にお菓子を作ってみることも楽しみの一つ。
この時期が終わったら、ここに行ってみたいなぁと、ひそかな計画をたてるのも楽しみの一つ。

ダイニングテーブルを搭乗口に。

いざ、世界へ旅立ちましょう。

静かに、シンプルに。

スタッフのエンドウが、15年程前に出会った絵本は、
もう何度も手にとられてきたことが伝わってくる一冊。

人形を作って生活をしている主人公・ゴールディー。
シンプルな言葉で、彼女のシンプルな暮らしが語られています。

生活必需品じゃなくても、心を込めて作られたものの持つ力。

商品のデザインに関わっているエンドウ自身も、
「作ること」「作る時間」というものについて、考えさせられると言います。

“この人の生活に憧れている自分がずっといる気がします。
でも実際には、こんなにシンプルにはいかない日常。

生活の中の様々なしがらみが、枝葉のように広がっているけれど、
それでも幹の部分は、この人の生き方みたいなものに少しでも近づきたいなって。”

私たちが日々生きていくことの根っこの部分を、
静かに気付かせてくれる一冊です。

かつての物語をたどる

小学校の図書室。
あの懐かしい匂いに包まれて、当時夢中になって読んでいた物語。

その物語の一節を、今の私たちは微かにでも思い出せるでしょうか。

エンドウがもう一冊に選んだのは、
そんなかつての友人のような存在の物語。

“不思議な世界のなかに自分がすっぽりと入り込む体験。
小学生の私は、自分の想像力をすべて使って、物語にのめりこんでいました。

この中に出てくる「三日月村の黒猫」という話が一番好きでしたね。

作者の安房さんは、目にはみえない季節や自然を、
言葉の力で形あるものに変えてしまうんです。”

夜空、季節の巡り、自然の美しさ。
エンドウがデザインするアクセサリーもまた、そんな形なきものがモチーフにされています。

普通だったら絵に描けないものでも、きれいでユニークな言葉によって、
頭のなかでさまざまな輪郭が描かれていく体験。

そんな言葉との出会いが、エンドウの生きる世界の見え方を
少しずつ作ってくれたのかもしれません。

かつて夢中になっていた物語。
大人になった今、その物語をもう一度辿ってみるのも良いかもしれません。

あの頃のような自由な想像力はどこかに行ってしまったとしても、
きっと今だからこそ、見えてくる情景がもあるはずです。

FAIR TRADE LIFE STORE by sisam FAIR TRADE
タカハタ、エンドウ、タニ

～今日ご紹介した本～

・「世界のお弁当　心をつなぐ味レシピ」
著：服部直美
・「世界の祝祭日とお菓子」
著：高野 麻結子
・「Hot Drinks around the World 世界のホットドリンク」
・「アメリカまるかじり」
著：MON
・「チーズケーキの旅」
著：山本ゆりこ

・「ゴールディーのお人形」 (末盛千枝子ブックス）
著：M.B.ゴフスタイン
・「まよいこんだ異界の話」（安房直子コレクション）
著：安房直子