Chetna Organic
インド・中部の3州 (マハラシュトラ、アンドラプラデシュ、オディッシャ )
国際フェアトレード認証ラベルは、この製品が国際フェアトレード認証の基準に従い認証を受けていることを保証するものです。 特定非営利活動法人フェアトレード・ラベル・ジャパン
「チェトナ・オーガニック」は、インド中央部の3州で、オーガニックコットンを栽培している農民組合です。 コットンの凶作の年に一帯で起こった飢餓と農民の借金苦による自殺問題をきっかけに、数軒の農家と協力して2004年に発足しました。
フェアトレードのマーケットにつながることで、零細コットン農家が、農薬や化学肥料、遺伝子組み換えの種から卒業し、オーガニック農法で、安全に、かつ利益を確保しながら農業を続けられることを目指して活動しています。
今では3万5千軒を超える農家が参加しています。また、「飢えない農業」を推進するため、年中なにかしらの食べ物の収穫があるようにと、多種多様な作物をコットンと並行して有機栽培しています。
「チェトナ・オーガニック」の農民たちが育てたコットンは、国際フェアトレード認証とオーガニック認証を受ける縫製工場「ラージュ・ラクシュミ」が買い支え、洋服にまで仕立てられています。
チェトナ・オーガニックが発足した社会背景
古くからコットンを栽培していたインドでしたが、2000年以降、欧米の多国籍企業の進出により、遺伝子組み換えのコットン栽培が急激に広まりました。しかし、そのコットンは次の種ができないよう遺伝子操作されたもので、毎年、種を買いなおす必要がありました。また、同じ多国籍企業が販売する専用の農薬や肥料を大量に投入しなければ育たなく遺伝子操作されていました。
「強くて儲かるコットン」という企業の宣伝文句とはうらはらに、高額な種と農薬や化学肥料を買い続ける無限のループに陥った農家は、一度でも栽培につまづくと、たちまち行き詰まり、後には汚染された土と借金のみが残るという窮地に追い込まれました。こうして、中部インドの「コットンベルト」(コットン栽培地帯)は、借金苦に追い詰められた農民が30分に1人自殺する「自殺ベルト」と呼ばれるようになるほど、大きな社会問題に発展してしまいました。
生産者のようす
「チェトナ・オーガニック」では、農家の女性が目覚ましい活躍を見せています。農業技術を村に広げる役割の「リソースパーソン」にも女性が選ばれます。また、女性たちは村ごとにユニークな「種銀行」を運営しています。その土地の様々な作物の種を保管して、仲間同士で貸し借りをするのです。小さな部屋に整然と並べられた壺には、種の名前を書いたラベルがきれいに貼ってあります。種を借りたい人は、欲しい種を 1キロ掬えば、収穫後、採れた種から 2キロを返すのが決まりです。こうして、土地在来の種を守り、大きな負担だった種の購入のための借金から解放されるようになりました。
離れた村同士での種の交換会も頻繁に行われています。多様な種を蒔くことで、思わぬ害虫被害や天候不順でも飢餓のリスクを減らせるようになりました。こうして種を守る女性たちは「種の守り人」(Seed Guardian)と呼ばれ、村の中でも一目置かれています。村の中で女性たちが重要な役職を持ち、活躍することで、地域や家庭の中で、女性がさまざまな決め事の際に発言し参加できるようになってきています。