SISAM COFFEE販売休止のお知らせ
いつもSISAM COFFEEの生豆を作ってくれている
フィリピン山岳部で暮らす農家の人々。
今、コロナウイルス感染症の拡大により、深刻な状況が続き、
大切に育ててもらった生豆も、まだ日本に届けてもらうことが難しい状況にあります。
そこで非常に心苦しいのですが、SISAM COFFEEの販売を一旦休止させていただくこととなりました。
「SISAM COFFEE カフェベース 500ml」のみ販売を継続させていただきます。
これ以上被害が大きくならず、一日も早く農家の人々にとっての日常を
取り戻せることを願うばかりです。
お客様にはご迷惑をお掛けいたしますが、
ご理解の程どうぞよろしくお願い致します。
また美味しいSISAM COFFEEを飲める日を待ちながら、
この機会に、現地でどのような人々がコーヒー豆を育ててくれているのか
少しでも多くの方に知っていただけましたら幸いです。
生産者とともに現地で働いている環境NGO「コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)」の
反町さんより現地レポートが届いております。
山岳部のコーヒー生産地でのコロナ感染拡大
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(ロックダウン中の集落のコーヒー農家の方たち)
コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(CGN)のコーヒー倉庫と苗場と作業場のある集落では、
8月以来8人の方が新型コロナで亡くなりました。
都市部での感染拡大から1年遅れです。
地方自治体政府でも感染拡大を抑えるために、感染者が出ると濃厚接触者を対象にPCR検査をします。
そして陽性者には自宅から外出禁止となり2週間の隔離となります。
しかし、日銭暮らしの貧しい村の人たちは、あっという間に毎日の食事にも困るようになります。
背に腹は代えられないと、調子の悪いのを隠して働きに出ます。
どこの国でも共通しますが、まずはお年寄りから感染の犠牲になりました。
先住民族の文化では亡くなった方とのお別れにあたって、日本の通夜のような風習で亡くなった方との思い出を語り合います。
それは先住民の方にとっては、何があってもおろそかにできない大切な儀礼です。
コミュニティで亡くなった方たちの通夜やお葬式で感染が拡大していったと思われます。
山岳地方では病院が少なく、比較的町から近い私たちの倉庫がある集落でも、一番近い病院まで1時間はかかります。
また、ロックダウンから1年半がたち、貧しいコミュニティではどこの家庭でも現金が底をついています。
そして、昨年来、公共交通機関はなくなったままなので、病院に行くにも、それなりの金額を払って車をチャーターしなくてはなりません。
少し具合が悪いくらいでは誰も病院には行きません。行けません。
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そして、新型コロナの特徴で、あれよあれよという間に急に症状が悪化し、呼吸が苦しくなります。
そこで初めて自治体の保健課やその付属のクリニックに連絡がいくわけですが、
病院に連れていく間に緊急で使う行政の酸素ボンベはすでにすべてが自宅療養者に貸し出し中で、
そのまま自宅で亡くなる人も出ているとのことです。
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(タンクの値段表)
酸素ボンベの価格は高騰し、平常時の3倍に。
酸素の補充に長い行列ができることもあるようです。
1本の酸素の補充にかかる金額は、最小単位の3リットルでだいたい彼らの日当くらいの金額とのことで、
決して安い金額ではありません。
この感染が徐々にこれ以上山奥に広がっていかないことを祈るしかありません。
CGNでは、酸素タンクをコミュニティに送るための寄付の募集を始めました。
ご協力どうぞよろしくお願いいたします。
≪クレジットカードでのご寄付≫
https://syncable.biz/associate/cordilleragreen/donate/
≪銀行振込み≫
広島銀行 向島支店(097)
口座番号:3077610
口座名:コーディリエラグリーンネットワーク日本事務局
執筆: 反町眞理子
Mariko Sorimachi
1996年よりフィリピン在住。
2001年環境NGO「Cordillera Green Network(CGN)」をバギオ市にて設立。
コーディリエラ山岳地方の先住民族の暮らしを守り、山岳地方の自然資源を保全するために、
環境教育、植林、生計向上プログラムなど、数多くのプロジェクトを行っている。
2017年、CGNのスタッフたちとともに、社会的企業Kapi Tako Social Enterpriseを創立。