「旅」を生地にしました。
いざ、sisamの旅へ 第2話
「あぁ、旅に出たい」
この数年でその気持ちが思わず口からこぼれた人は、たくさんいると思う。
肌に身に着けるもので少しでも旅気分を味わってほしい。
そしていざ旅に出ることができたとき、その一枚をお守りのような存在してもらえたら。
エンドウはそんな想いを軸にもち、今回のコレクションで2つの生地のデザインを担当した。
いざ汽車の旅に
まずデザイナーたちが思い浮かべたのは、汽車の旅。
木の床に、アンティーク調のイスが並ぶ車内。
車窓の中では大自然が静かに流れていく。
エンドウは、そんなクラシカルな風景に合う、大らかなチェック模様をデザインした。
温かな雰囲気を持ちながら、大人の可愛さをもたらしてくれるシリーズだ。
どこか遠い国に想いを馳せるようなときめきを携えながらも
日常にも寄り添ってくれる落ち着いたチェック模様。
イチョウ並木や雪景色など、秋冬のワンシーンに美しく溶け込む配色に。
ワンピースはそれだけで素敵な絵が完成するような、この秋冬の特別な一枚に。
そして、ボトムスに模様があるって素敵だなと、今回改めて感じたシリーズ。
シンプルなトップスと合わせて、足元を主役にもってきたい。
じんわりときめく存在感で、見慣れた景色もどこかクラシカルに仕上げてくれるはずだ。
花の地図
そしてもう一つ、やわらかなサテン生地のうえに、
インドのシルクスクリーンで描きたい模様を考える。
エンドウのなかには、”地図”を模様にしたいという想いがあった。
モチーフに悩みながら、何度もやり直しを重ねた末に思いついたのが
花で地図を描いてみることだった。
私たちのパートナーが暮らすアジアの国々。
その地形を、花でかたどってみてはどうだろうか。
コスモスでインド、ネパールを。
ネムノキでタイを。
出来上がった模様には、落ち着いた配色を選び、
あくまでもさりげなく花柄が楽しめるように。
サテンの光沢も合わさって、花柄なのにどこかかっこよく見える。
世界地図を見ながら旅を夢見るように、
まとう人の心がどこかの地とつながっていく。
それだけで素敵な旅の第一歩だ。
花の地図を広げて、心で旅する日常を存分に楽しんでほしい。
わたしの旅
あなたにとって旅とは?
そう聞かれると、エンドウは迷わず「インド!」と答える。
生産地の一つであるインドを、それほど愛しているデザイナーだ。
19歳の頃に初めて現地を訪れてから、8回は訪印している。
家族ができ、昔ほどは身軽でなくなった今でも、海の向こうへの想いは色あせない。
特にこの数年は旅が遠ざかったことで、私たちの中の眠っていた想像力が本領を発揮し、
本や映画、ドラマなど、様々なツールで「旅」をすることもできるようになった。
それはそれで、とても素敵なことだと思う。
ただ、やっぱりリアルは良い。
リアルに見て、話して、食べて。
あぁこういう生き方をしている人がいるんだ。
こんな食べ物があるのか。
“そこの暮らしを知ることで、自分がそこに順応していけるかが分かっていく。
自分のルールの外に行くことで、知らない自分が見えてくる。
それが旅の魅力なのかなと思います。”
”そしてその経験が、未来の自分に影響していくってすごいですよね。
自分のなかで何十年も続く何かに、出会えることがあります。”
旅の先で待っているのは、見知らぬ人や景色だけではなく、自分自身なのかもしれない。
多くの人が恋焦がれてやまないインドには、どんな自分が待っているんだろう。
いつか必ず会いに行きたい。
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タニ