あの映画にとびこんで 後編
前編につづき、今回も3作品をご紹介します。
いざ、あの映画の、あのシーンへ。
音をかさねて
「はじまりのうた」(2013年)
オンラインストア:ウエムラ
恋人に裏切られた女性のシンガーが、落ち目の音楽プロデューサーに才能を見出されて一緒にアルバムを制作する話。
製作資金がないので、ストリートミュージシャンの協力のもと、ニューヨークの街角でゲリラレコーディングをすることに。
街中の音や人の話し声など、全てを音楽の一部にして作品を作り上げていく様子が、たまらなくワクワクする。
混沌、喧噪の中にありながらも、だからこそニューヨークという場所が内包する豊かさ。
一音一音ちがうものが重なり、美しい厚みをもっていく音楽とともに伝わってくる。
主人公の透き通るような歌声に酔いしれながら、ウエムラは想像する。
私も屋外でおもいきり歌えたなら、どれほど気持ちが良いだろう。
現実では恥ずかしくてできないけれど、この映画の世界では堂々とマイクをにぎっている。
ドラムのカウントとともに、ニューヨークの密度濃い空気を吸い込んで。
今回のコーデは、屋外レコーディングで何を着たいかを考えたもの。
情報量の多い街中でも目立つように、真っ赤なトップスを。
風を取り入れてくれるサラリワイドなので、夏のレコーディングもへっちゃらだ。
ニューヨークの夏は日差しが強そうなので、帽子も忘れずに。
あえてメンズアイテムのボトムスを合わせて、自分を鼓舞するかっこよさもプラスした。
コーデアイテム
MH サラリワイドトップ
CH EMツイルワンタックPT
SN アローレースハット
ようこそゾンビワールドへ
「ゾンビ」 1978年
オンラインストア:フルカワ
無類のホラー映画好きであるフルカワ。
ホラー映画と言ってすぐに思い浮かぶのは何と言ってもジョージ・A・ロメロの「ゾンビ」。
まさにホラー映画の金字塔。
質感、ストーリー、メッセージ性。どれをとっても最高の作品だといえる。
ホラー映画好きで見ていない人はもぐりと言ってもいいのではないかと思うほど。
この作品の魅力は、ただ「恐い」だけではない。ゾンビだけではない。
ショッピングセンターに集まるゾンビたちには、過剰な消費行動をとり続ける人間社会へ批判を。
レジャーのようにゾンビをやっつけていく人間たちには、人間の持つ暴力性に対する批判を。
ロメロ監督がゾンビに込めたメッセージのクールさに痺れる。
さらに、出てくるゾンビたちが多種多様なのも魅力の一つ。
中にはヒッピーのゾンビもいる。70年代アメリカのファッションが垣間見えるのもとても面白い。
ゾンビ映画、食わず嫌いの方、この機会にめくるめくゾンビワールドへ足を踏み入れてはどうだろうか。
今回はファッショナブルなゾンビにインスピレーションを得て、70年代ヒッピー風のコーデを組んでみた。
遊び心のあるストライプ模様のシャツにオマモリ模様のショールを合わせて。
シャツインでアメカジ感を出して、sisam風ヒッピーコーデの完成だ。
コーデアイテム
CH EMオープンカラーシャツ
CH EMrawデニムパンツ
SSH OCオマモリショール
SSH ワイドレザーベルト
せつない夢の世界へ
「シングストリート」(2016年)
卸営業部:ナカイ
ラブロマンス、青春、家族、個性と社会との激突。
この映画は観る人によって、それぞれのテーマが際立つ作品だと思う。
主人公のまわりを彩る様々な関係性の変化が、素敵なバンドミュージックとともに駆け抜ける100分間。
音楽を糸口に、彼は世界を切り拓いていく。
ラストシーンはハッピーエンドなんだろうか。これからまた多くの荒波が待っている。
でもその表情があまりに清々しく、私たちにこの先を想像する余地を残してくれる作品になっている。
ナカイが選んだのは、学校のホールでPVをとるシーン。
そこでは、鮮やかな衣装をまとった人々がダンスを踊る。
何もかもがうまくいっている、主人公が思い描いた世界。
その切なさと温かさに涙が出る。
今回は、60年代アメリカをテーマにしたシーンをもとに、ポップでレトロな雰囲気を楽しんだ。
ざくろの花色のワンピースを主役に、白シャツとヘアバンドで爽やかなトーンに。
くるりとターンをすれば、手刺繍とともにスカートが華やかに広がるはず。
彼が思い描いた夢の世界に、私もひととき身をゆだねたい。
コーデアイテム
RH OCハナノアメノースリドレス
RH OCメグルキセツシャツ
SN コットンクロスヘアバンド
MB アマオトイヤリング
あの映画の世界へとびこんで。
皆さんはどの作品を思い浮かべますか。
好きな情景と好きな服に包まれて、一味ちがう休日をお過ごしください。
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タニ