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わたしと手しごと vol.2
私たちの日々に寄り添ってくれる手しごとの存在に着目し、
10月に実施した「あなたの手しごとを教えてください」アンケート。
今回のコラムでは、アンケートにご協力いただいた皆さまの中から、
4名のお客様とsisamスタッフの「手しごと」をご紹介しています。
皆さまに、手しごとのぬくもりが届きますように。
おかんアートで歴史を紡ぐ
「祖母は和裁、母は洋裁や編み物を。
私の着物や洋服、人形の洋服など様々なものを作ってくれました。
それが、今の私の生活の原点になっているんです。」
そう語るのは、兵庫県に暮らすMarikoさん。
生活用品から、趣味のものまでありとあらゆるものを手しごとで作り続ける日々。
彼女にとって「手しごと」とは、生活になくてはならないものであり、
癒しであり、そして気持ちを豊かにしてくれるものであると教えてくれました。
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Marikoさんが作り出す手しごと品は、まさに「家族の歴史」そのもの。
この小物入れは、祖母がお嫁入りの際に使用した帯を張り付けて作りました。
祖父の両親が用意した100年も前の帯を、大切に大切に保管していたのだそうです。
実家の分も作り、残りの生地は額に入れて絵画のように。叔母たちにもプレゼントしたんだとか。
昔から受け継がれてきた一本の帯が、形を変えて先祖の息吹を運んでくれるようです。
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母が小学一年生の時に作ってくれたバッグ。
その鮮やかな色遣いと丁寧な編み模様から、母の愛をひしひしと感じます。
終業式やお出かけの際に使っていたというバッグは、今は大切なアクセサリー入れに。
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そして、今度はMarikoさんが息子のために手しごとを。
息子が生まれた時の体重と同じ重さのベアには、蝶ネクタイやニットを着せてあげました。
これも息子が使用していたアイテムなのだそう。
長く弓道をやっているので、ベアにも同じ道着を着せました。
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祖父が着ていた夏用の麻の着物は、ほどいてポジャギ仕立てに。
タペストリーや大風呂敷として使うのだそう。
さまざまな用途で重宝する一品には、祖父の想いも詰まっているんだろうな。
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最後は、ノルウェーのハーダンガー刺繍でつくったクロスを。
一目一目からMarikoさんの手しごとに対する深い愛情と、
時間をかけてものづくりと向き合う素晴らしさが詰まっています。
家族の想いを何世代にも渡って紡いできたMarikoさん。
その歴史はこれからも永く、そして繋がり深く続いていくのだと思います。
日常の呼吸をのこして
オンラインストア店長・タニの祖母の家には、たくさんの可愛いものがあります。
チラシやビーズ、タオルなど、日常のなかの素材に手をのばしながら
たくさんの生き物たちを、何十年もちまちま、こつこつと生み出してきた祖母。
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なんともいびつで、ユニークで、体温のある生き物たち。
タニは、それらをおばあちゃんの”手の呼吸”なんだと話してくれました。
何にも代えがたい手しごとというものの存在感を、幼いながらに知ることができたタニ。
気付けばタニも、ものを作る人になっていました。
休日には、かつての祖母のように、背中を丸めてちまちまと、自分の好きなものを形にしていきます。
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お猿の張り子や、木版と刺繍を組み合わせたブックカバー。
この世界に小さな呼吸を残すように、ちまちま、こつこつと手を進めていきます。
そして5年前、フェアトレードのものづくりと出会ったタニ。
仕事でも部屋のなかでも、「手しごと」の持つ、言葉にならないメッセージのようなものを追い続けています。
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「私たちの身の回りには実はたくさんの手しごと品が溢れているのではないか」
確かに機械化が進む世の中で、手しごとに触れる機会は減ってしまいました。
でも、何気ない日々によく目を向けてみると、実は誰かの手によって生み出されたものが沢山あるのです。
そして、それを見つけて大切に想う気持ちが、現代の私たちには必要なのではないかと思います。
物を長く大切に使うため、家族との思い出を残すため、心を落ち着かせるため、ただ楽しむため。
一人ひとりにそれぞれの手しごとの形があります。
忙しなく過ぎていく日々に辟易としているあなたに、
どんな形でもよいのであなただけの「手しごと」を見つけてみてほしいのです。
あたたかくて心が落ち着くその一品に触れた時、心や身体の力がふっと抜ける感覚になります。
そして、また明日も頑張ろうと思える糧になってくれるはずです。
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