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わたしとsisam Vol.2 ~商品部 タチバナ~
今回はデザイナー・タチバナのお話。
彼女がsisamの扉をたたいてから、1年半が経とうとしている。
場所と身体が一致すること
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自ら服をデザインし、現地のパートナーとのものづくりに日々励むタチバナ。
彼女の目指すものを聞いていると、
フェアトレードのものづくりは、その想いや社会的影響だけで完結できるものじゃないということを、ひしひしと感じる。
“フェアトレードのものづくりも、やっぱり「デザイン」や「品質」なんですよね。
買い手であるお客様の期待に応えていく、そして飽きられないことが、
このものづくりを継続していくうえで、必要なことです。
フェアトレードではない商品と並んでいたとしても、遜色なく「こっちがいいね」と
手にとってもらえることが、私の仕事だと思っています。”
想いだけを一人走りさせない、これからのフェアトレードに必要なこと。
作る立場であるタチバナだからこそ、ものづくりのリアルとその先を見据えている。
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かつて、東京でアパレルのデザイナーとして働いていたタチバナ。
現地への過度なコスト削減や大量生産を目の当たりにする日々のなかで、ふと考えた。
「ただ服が好きで入っただけなのに、何のためにここにいるんだろう。」
体を壊し、だんだん自分がバラバラになっていく感覚になっていったと話す。
京都で暮らすようになり、縁あってsisamと出会った。
“sisamでも、品質だったりコストだったり、まだまだ完璧な仕事というわけにはいかないけれど、
一日の大半を過ごすこの場所と自分が「一致」していく感覚があります。
それって、生きていくうえで健康的なことなんだと思います。”
日々、自分の力や想いを注いでいくもの。
削り取られるのではなく、込めていけるもの。
「働く」の持つ意味は、年を重ねるほどに、
自分の身体の奥深くまで染み込んでいくのかもしれない。
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そんなタチバナにとって、ブランド名でもあるsisam(良き隣人)とは何なんだろう。
“「他人の領域を侵さず、自分自身であること」です。
自分が充実していたら、他人の世界も受け止めることができる。
人に手を伸ばすこともできる。
だからこそ、まずは自分が幸せであることが一番大事なんだと思います。”
その言葉に深く納得できるほど、タチバナの周りにはいつも優しい風が吹いている。
自分の色を大切にすることが、共に過ごす人の追い風にもなるのだということを、
私も日々彼女の存在から教わっている。
生活を作る
センス、創作力、遊び心。
出てきた出てきた。お、また出てきた。
私生活でも、とにかく「作る」ことをこよなく愛しているタチバナ。
タチバナは、彩り豊かな布で作られた巾着のような人だと思う。
その巾着は、いつも何かをまぁるく内包している。
柔らかく、しなやかに形を変えながら、何が入っているのかとわくわくさせてくれる。
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“なんでも買うんじゃなく、作れないかな、、と思ってしまいます。
絵を飾ってみたいな…。じゃぁ描いてみようという感じです。
貧乏根性でしょうか。
子どもの頃から、少ないおこづかいのなかで、服をリメイクしたり、工作をしたりしてました。”
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最近は保存食づくりにもはまっているそうだ。
手作りの「ゆべし」をいただいた時には驚いた。
柚子の中をくりぬいて、お味噌や砂糖、クルミなどを詰めた保存食。
こんなものも作れるのか…!
“お味噌は豆乳とおからで作ってます。
赤味噌っぽい味で美味しいんですよ。”
ベランダ菜園では、服作りの素材にもなる亜麻も育てている。
ものが生まれるその起源にも、ささやかに手をのばしてみる彼女のアンテナがとても好きだ。
“なんでも作ってみようというのが、sisamでの仕事にも活きているのかもしれないです。
そして周りのスタッフの共感力の高さも、sisamならではの楽しさですね。”
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自らの手で何かを作ること。
そこには、生活の形をコネコネと作っていく豊かな手触りがある。
作ることを愛し、それの持つ力をタチバナ自身がよく知っている。
そのことは、フェアトレードのものづくりを支えるうえで、何より大切な力を持つのだと私は思う。
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タニ
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