わたしとsisam Vol.3
地続きの力
フェアトレードのものの中から、自分の気に入ったデザインのものを選んで購入する。
そこにもう一つの選択肢を。
フェアトレードアイテムに自分のオリジナリティを重ねた、世界に一つのアイテムを作る。
その新しい入口こそ、今回のスタッフ トミザワの携わるノベルティ事業だ。
例えば企業のイベントで配る記念品や結婚式の引き出物、卒業式の贈り物。
トミザワはこの3年間で、多くの人に「ノベルティ」という自由でメモリアルな形でのお買い物を提案してきた。
“ノベルティこそ、なるべく安く早く、そして大量生産を重視されるジャンルだと思います。
でもフェアトレードのノベルティは、価格面も納期のペースも、正反対の性質を持っているんですよね。
だからこそフェアトレードを「選ぶ」ということが、その企業のもつ姿勢や社会へのメッセージにもつながると思うんです。
以前に、周年記念品としてコーヒーのドリップパックを選んでくださった企業がありました。
担当の方が熱心に話を聞いてくれて、その方自身がフェアトレードのことをたくさん勉強し、社内でプレゼンされたそうです。”
人から人へ、熱量が伝わっていく。
ノベルティも、普段のお買い物も、広がり方は同じ、誰かがその選択に想いを持つことからはじまる。
「フェアトレード」というと、意識が高いものとして捉える人はまだまだ多い。
普段に寄り添うお買い物感覚で、誰もが気軽に手にとれるお店。
sisamをもっともっとそんな場にしていきたいとトミザワは話す。
”誰かのためにというのは、仕事って実はなんでもそうなのかもしれないけれど、
「誰が作って」「誰が買って」が目に見えるし、そこに在るものが直接感じられる。
そういう想いの流れが可視化できるフェアトレードの仕事は、自分自身が活き活きと暮らしていくための大切なモチベーションになっています。”
昨年の京都音楽博覧会で、イベントで出た生ごみをコンポストに入れて堆肥を育てるという「資源くるりプロジェクト」が実施された。
そこで、フェアトレードエプロンを作業着として着てもらう企画をおこない、自らもそのプロジェクトに参加したトミザワ。
その成果がすぐに目に見えないものだとしても、草の根で広げていくことこそ、私たちの事業には大切なことだと思う。
学生時代、留学先の友人と。
トミザワにとって良き隣人とは?
”やっぱり人を思いやることなのかなと思います。
誰かを思いやる行動をとった人がいると、家族や友人、通りすがりの人、
そこから何かをキャッチした人たちがまた誰かを思いやるようになる。
フェアトレードに関わる仕事は、そんな隣人を増やしていくことなのかもしれません。
学生時代の留学でお世話になった団体が、自分たちの最終目標は”世界平和”だと話していました。
その国に生きる人と友だちになり、文化のことを学べば、その国を傷つけることはしなくなるでしょ?と。
その話が今でもずっと自分のなかに残っています。”
その一言が少しずつトミザワらしい形へと育ち、今があるのかもしれない。
フェアトレードも、世界平和も、私たちが辿り着こうとしている未来に飛び道具や近道なんてなく、
人から人へ地続きに託していくことの力を、あきらめてはいけないなと思う。
グッズを愛す
トミザワの日常には、たくさんの小さなものがある。
手のひらサイズで、可愛くて、おもわず頬が緩むものたちだ。
幼い頃の遠足で京都を訪れたとき、お土産ショップで八つ橋を迷わず手にとる友人たちを素通りし、選んだのはミニ金閣寺の置き物。
なんとも渋いチョイス。
最近は銭湯グッズ集めがブーム
自分の足で訪れた場所の思い出を、小さな形として残すことの楽しさ。
大人になった今でも、そんな”グッズ収集”の虜になっているトミザワ。
部屋に並んだ小さなグッズの行列。
それは彼にとって大切なアルバムでもあるのかもしれない。
これは誰が作って、どんなストーリーがあって…
そんなバックグラウンドを聞いてしまった瞬間、もうトミザワの心はぐっと掴まれてしまっている。
小さなものに、命ある表情が宿る瞬間だ。
仕事で日々関わる卸先さんから、ご当地のグッズや作家さんを教えてもらうことも。
ものづくりを愛する人たちの輪は、仕事の枠を越えたところでも豊かに広がっている。
ノベルティという入口から、sisamのオリジナルグッズを担当しているトミザワ。
実は、誰よりも彼自身がグッズという存在を愛している。
形のないものを、形あるものに残す楽しさを、これからもたくさんの人に伝えていくはずだ。
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タニ