12人の生産者さんのお話 vol.2
12人の生産者さんのお話。
今回はvol.2、インドとネパールから、3人の生産者さんをご紹介します。
アイシャさんのお話
KALATMAK(インド・カラティマク)
インド中北部・ラクノーの地で、
女性たちとその家族の自立支援、そして地域の伝統文化の発展のため、2004年から活動を続けています。
400年の歴史を持つチカン刺繍は、母から娘へと受け継がれる伝統手工芸です。
sisamでおなじみのクルタ、ダブルガーゼやヘンプコットンの衣服に施された美しい刺繍は、長年たくさんの人に愛されています。
一家を守る母
刺繡パートを担当している、アイシャさん。
2011年からカラティマクで働いています。
アイシャさんはご主人とお子さん3人の、5人家族です。
ご主人は、オートリキシャ(インドのトゥクトゥク)の運転手。
家族が暮らす場所から、離れた地までお客さんを乗せていきます。
ご主人が仕事で留守にする間、アイシャさんは1人ご自宅で、子供たち3人の面倒を見ているそうです。
食事でパワーを
家事と仕事で毎日忙しいアイシャさん、休みの日には、ご主人と一緒に彼女のお母さんに会いに行きます。
なつかしき故郷で、子供時代を一緒に過ごした幼馴染も集まり、皆でご飯を食べるのだそう。
栄養たっぷりの野菜を、ロティ(全粒粉を使った無発酵のパン)やごはんと合わせて食べるのが好きな彼女。
ヘルシーかつ体が軽い心地になれるそうで、じゃがいもやカブなどのフレッシュな野菜を市場で買ってきて料理します。
ご飯を前に、まぶしいくらいの素敵な笑顔。
刺繍はとても繊細で、根気と体力のいる作業です。
おいしいごはんでリフレッシュして、体力をたっぷりとつけて。
アイシャさんが丁寧にうみだすインド伝統の刺繍たち。
ぜひその模様一つ一つをじっくりと目で見て、心を寄せてみてください。
そうすれば、きっと彼女の素敵な笑顔が浮かんでくるはずです。
ソニアさんのお話
MESH/Maximising Employment to Serve the Handicapped(インド・メッシュ)
ハンセン病と障害者のための就業機会を最大化することを目的に活動しています。
高品質のショールを手紡ぎ・手織りすることで、彼らやその家族が自尊心を取り戻し、社会的、経済的に自立した生活を送れるようになっています。
MESHのメンバーで「リトルフラワー」というグループの女性たちが、高品質のシルクショールをつくってくれています。
上質で柔らかな肌触りのショールは、身にまとう人にとってまさに一生モノの存在です。
リトルフラワーではたらく
織りパートを担当している、ソニアさん。
20歳の頃からMESHのメンバーで、「リトルフラワー」に所属しています。
今回のコラム企画のために、インタビューに答えている様子を動画で送ってくださいました。
ソニアさんはリトルフラワーの中で、織りのパートで働いています。
彼女の後ろに映る木の道具は、彼女が仕事で使う織り機。
ガシャン、ガシャン、と音を立てながら丁寧に丁寧に布を織っていく様子が目に浮かんできます。
そして出来上がるやわらかなショール。
メッシュから届くやわらかく、しっとりとした手触りの手紡ぎ・手織りのショールは、使い込むほどに肌に馴染み、風合いが育っていくのです。
休みの日は家で過ごすことがほとんどな彼女。
部屋の掃除をして、家族との時間を大切に過ごすのだそうです。
素敵な布を身にまとい、穏やかな表情でインタビューに答えてくださったソニアさん。
彼女が織りなすショールは、インドの風を包み込んで、これからも私たちのもとへ届きます。
ビシュニュさんのお話
MAHAGUTHI(ネパール・マハグチ)
ネパール語で「大きなコミュニティ」という意味で、1984年から活動しています。
特に聴覚にハンディを持つ女性たちや、経済的に困窮している女性を雇用し、衣料品の製造販売をすることで、彼女たちの自立をサポートしています。
定番品のストレートパンツやガウチョパンツ、バッスルスカートやプリーツワイドスルワールは、
sisamのコーディネートの足元を心地よく支えてくれています。
縫製のプロフェッショナル
縫製を担当している、ビシュニュさん。
16年間マハグチで働いている、縫製のプロフェッショナルです。
一時は、共働きの息子さん夫婦の代わりにお孫さんの面倒を見るため、マハグチから離れていた彼女。
お孫さんが幼稚園に入園したのを機に、再びご自宅からマハグチのものづくりを支えてくれています。
彼女の朝は6時にスタート、まずはお嫁さんと一緒に家事をします。
ダルバートというネパールの家庭料理が好きでよく作るそう。
潰した豆のカレーとカレー味の野菜を盛りつけたワンプレートご飯は、想像するだけでお腹が減ってきます。
家事に仕事に大忙し
料理や洗濯、掃除などの家事が落ち着いたころ、縫製作業に入ります。
マハグチのスタッフが彼女の家の玄関先に布地を届け、縫製の終わった商品も彼らが受け取りに来てくれる仕組み。
「家にいながらでも自分でお金を稼げることを、とても誇りに思っています」とビシュニさんは言います。
お孫さんが幼稚園から帰ってくると、一緒に新しい場所へ探検にいくのが定番の遊びで、
ポカラやドラカといった地に出向いたり、お寺をめぐるのが日課だそうです。
家族との時間を大切に、そして自分の仕事も怠らない。
そんなビシュニュさんの存在が、これからも続くsisamとマハグチのものづくりを支えてくれているのです。
12人の生産者さんのお話。
まだまだ、vol.3へと続きます。
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