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わたしのsisamものがたり 6

優しいアンテナと大きなポケット

4年ほど前、私がsisamで働くようになってすぐに一通のメールが届いた。

そこには、真鍮のアクセサリーが届いた御礼と、自分へのご褒美に購入して、
これからの日々にワクワクしているというメッセージが綴られていた。

嬉しさにあふれた文面がまるで絵手紙のようで、オンラインストアの機械的なイメージに、
鮮やかな色が塗られたことをよく覚えている。

それがくうさんとの出会いだ。

愛知県で暮らすくうさんが今回の主人公。

今から10年以上も前、図書館で借りた雑誌に、フェアトレードのことが書かれていた。

その奥にひろがるアパレル業界の現状を知り、服が普通に買えなくなってしまうくらいの衝撃だったという。

石川県にあるお店「コミュニティトレードアル」さんで、5年ほど前に初めてsisamの服を手に取った。
最初に購入したのはネパールで作られたコートだった。

“ラグラン袖がすごくきれいだったんです。

コートは縫製が難しいから、生産者のなかでも熟練した技をもった方々が担当しているんですよね。
お店の店主さんから、そういった生産背景のこともたくさん教えてもらって。

sisamさんってなんだろうと思ったのが始まりでした。”

今では身に着けるもののほとんどがsisamの服だというくうさん。

その理由はどこにあるのか。

“着ればほっとするし、なんだか守られている感じがするんです。

着心地が良いのもありますし、やっぱり見えるからですかね、作っている人たちが。

作っている人が見えてくると、むげにはできないですよね。
もっと丁寧に着れる人になりたいなと思っています。”

「丁寧に着る」というのはどういうことなのか、私も時々考えることがある。

破れたり汚れたりしても、繕いながら、長く長く着るということもそうかもしれない。

でもくうさんの話を聞いていると、それだけではない何かがある気がしてきた。

デニムも愛用しているんですが、この裏地が良いですよね。
プリント生地になっているなんて。見えないところなのに、なんか良いですよね。
可愛くてにやにやしてしまいます。”

ふふふっと笑顔で服を眺めるくうさん。

この服に込められた遊び心が、ちゃんと届いていることが本当に嬉しい。

一着の服が持つ小さなメッセージをすくいあげ、日々の味わいに変えること。

服の旅路をとことん想像し、愉しみ尽くすこと。

「丁寧に着る」のなかにあるたくさんの答え。
それは私たち一人ひとりにゆだねられていて、形はそれぞれなのだ。

インドで作られた手刺繍とガーゼの服もくうさんの愛用品。

“お出かけ着に買ったんですけど、寒い日に着てみたらなんだか暖かくて。
今では、外でも家でも着ています。
炊事中は、そのうえからエプロンを着れば汚れないですしね。

ちょっとほつれてきたけど、それが味になってきて嬉しいんです。

小さいツブツブの刺繍も可愛いですよね。
宝探しみたいに、着るたびに発見して喜んでいます。”

毎年、新しい模様が届くキンチャクは、目にも楽しい日常のコレクションに。
エコバックや、フロシキ代わり、バスケットの中袋としても、毎日のときめきを引き出すパートナーだ。

“宅配の人にもありがとうって思います。
こっちはポチっとカートに入れるだけだけど、人の手から手へつながって、私のもとに届けてくれる。

今までも通販は使っていたけれど、そういうのってあんまり考えたことなかったんですよね。”

くうさんは、荷物の緩衝材につかっている新聞紙の記事にまで目をとめる。
くしゃくしゃになった新聞紙をすぐに捨てずに、自分の楽しみや学びに変えているのだ。

優しいアンテナを立て、大きなポケットを持ちながら日々を生きる彼女の力には脱帽だ。

くうさんは、日常で何かを購入するときにふと頭によぎることがあるという。

「これを作ってくれた人は、今しあわせだろうか。」

着るもの、食べるもの。
その問いは全てに宿るものかもしれない。

日常生活のなかで、その問いがどれだけ自分のなかにあるだろうか。

“なんだか贅沢ですよね。
もちろん欲しいものが全て買えるわけではないし、ちょっと考えて諦めるときもあります。
それでも本当はすごく贅沢なことなんですよね。

私たちのまわりには溢れんばかりの食品、衣類があって、それを自由に選べる贅沢というのでしょうか。”

今の時代に、ふとそれを感じてしまうのは彼女だけではないと思う。
インタビューの途中、その贅沢という言葉に、しばらく二人で考えこんでしまった。

私たちにはたくさんの選択肢が与えられていて、それは地球単位でみると、贅沢なことなのかもしれない。

だからこそ、その贅沢を前向きなエネルギーに変えていきたいと思っている。

“贅沢というより、「幸せ」ですかね。”

ひとしきり考えた後に、くうさんはそう言って、何かを見つけたように笑顔でうなずいた。

最近は、知り合いにコーヒーや小さなブローチを贈ったり、
地道にフェアトレードの普及活動もしてくれている。

“まだ私のまわりには知らない人が多いんですよね。

可愛いでしょ?一つ一つ手づくりなんだよ~って。あくまでさらりと。

さりげなくその人にもバトンを渡しているんです。”

”sisamのものたちはとても温かく、優しいです。
手に取って、それを感じてほしい。

嬉しくて、顔がほころびます。

この気持ちが、生産者のみなさんに届きますように”

インタビューの朝、くうさんが外を歩いているとうぐいすの鳴き声が聴こえてきたという。

その道で立ち会わせた人とぱっと目があう。

「今、ホーホケキョって鳴きましたよ」
「あ、本当ですか?」

知らない人と少し言葉を交わせたときの、不思議な嬉しさとあたたかさ。
るんるん気分で、その後の道を歩いたと話してくれた。

それって、なんだかsisamが伝えたいことに似ている。

優しいアンテナと大きなポケット。
本当は誰もが持っているものだ。

きっかけはフェアトレードでも、誰かとの出会いでも、なんでも良いと思う。
そのことに多くの人が気付ける世界になってほしい。

 

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